19周年

本日でティーサロンも19周年を迎えました。

ひとえにお嬢様のおかげでございます。

あらためてありがとうございます。

伊織でございます。

 

 

開館以来お嬢様に支え続けられてまいりましたこの19年、わたくしもそのおおよそを共に歩んでまいりました。

ティーサロンでの務めの1日目は、まず紅茶係としての見習いでございました。

その日紅茶係を務める使用人の横で、ひたすら紅茶を淹れ、ひたすら飲むという毎日です。今では実際の紅茶葉に触れる前に座学や立ち居振る舞いを学ぶならいとなっておりますが、わたくしにいたっては非常に希有なスタートでありました。

 

 

わたくしのティーサロンでの生活は常に紅茶とともにあり、今は取り扱う紅茶のご用意から製作、管理を任されるにいたります。

なんとも感慨深いとも申せますし、紅茶に触れ続けた日々を考えると自然な道であったのかもしれません。

 

 

日々お嬢様に召し上がっていただくための茶葉のご用意だけではなく、紅茶サロンを初めとした催し事やエクストラティーの実施、季節や催しにあわせた紅茶のブレンドや選定がわたくしの務めの中心でございます。

ご帰宅のたびに必ずといっていいほどお嬢様が口にされる紅茶を任されるこの務めを、

スワロウテイルがティーサロンを冠している限り、誇りをもってまっとうしたいと思います。

 

 

そこにあって当たり前の一杯こそが、特別な一杯でありますように。

ティーカップのススメ

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
才木でございます。

アニバーサリー期間が始まりまして、
当家ティーサロンもまもなく19周年。
開館記念日を迎えますと、
いよいよ20周年の節目へと一歩踏み出してまいります。

そんなお祝いのお供として、
当家のティーカップコレクションに
新たなカップを選定いたしました。

日本・大倉陶園より、
「友禅桜」「マイリトルベア」の二客でございます。

友禅桜は、
着物の「友禅」をモチーフに製作されたカップでございます。
大倉陶園の誇る「桜シリーズ」の中でも、
上品さと可憐さが同居した一客と存じます。

お嬢様や奥様方が、
成人式の際にお召しになる振袖でも、
選択肢に上がることの多い友禅。
カップ全体は黒の印象が珍しいですが、
可愛らしいピンクの桜と縁取りや持ち手に
施された金彩との調和により、
華やかなパーティーでもお使いいただける一客ではないでしょうか。

マイリトルベアは、
以前お屋敷にございました「テディベア」の
対になるデザインのカップでございます。
愛らしい見た目は間違いのないところ。
大旦那様から皆様に向けてのアニバーサリープレゼントを、
大切にお使いいただければ幸いでございます。

……

この度は皆様に、
名だたるブランドのことも知っていただければと存じます。

折角ですから、最初は「大倉陶園」から。

大倉陶園と言えば「ノリタケ」傘下のブランド。
元来同一の創業者が立ち上げましたブランドでございまして、
両ブランドは兄弟的な立ち位置にあることが知られております。
その創設は1919年とのこと。

高級洋食器と芸術的価値の高い陶磁器に特化しておりまして、
上質な原材料を使用し、熟練の職人の手作業で
一つ一つのカップが作られております。

代表的なシリーズといたしまして、
「ブルーローズシリーズ」がございまして、
当家でも所有しております。
岡染めという伝統的な技法が用いられておりまして、
ティーサロン創立1周年を祝い作られた「ブルーバタフライ」にも、
この製法による美しい色彩が見られますね。

洋食器でありながら、
日本的なわびさびも感じられる、
静謐な美しさが特徴の大倉陶園。
是非お手にとっていただいて、
間近で確かめてみてはいかがでしょうか。

ちなみに私は、
「うまくゆく 回転木馬」というカップが
気になっております。
実際に拝見したいものです。

ティーサロンでは様々なティーカップを
ご用意しておりますので、
お楽しみいただければ幸いです。
皆様の日々の楽しみの一つになれば、
嬉しゅうございます。

お戻りを心よりお待ちしております。

才木

ご機嫌麗しゅうございます。お嬢様。

葉山でございます。

気がつけばもう3月も半ばを過ぎ時の流れの早さに驚かされます。
まさに「光陰矢の如し」

さて今月は百花の魁とも言われる梅の花を見に散歩に出かけたのであります。
当初は名所と言われるところまで遠く足をのばそうと予定していたのですがまさかの雪や雨の予報で断念。
とはいえ都内の梅が綺麗な公園へ。

梅といえば日本の文化と深く根付いている花

縁起ものの「松竹梅」といえば
松は「不老」「長寿」
竹は「繁栄」「成長」
そして梅は「清楚」「華やかさ」
をそれぞれ象徴しています。

食文化でも梅干しや梅酒。私の大の好物でございます。

風水でも「梅はその日の難逃れ」と言われるように厄災を払う木とされております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

梅の可愛らしい花をみていると落ち着きます。
雪が舞う冬の終わりから春の訪れまで持続して香りや華やかさで楽しませてくれる美しさは桜が象徴とする一瞬の美とは違うもの。

気がつけば長い時間花びら舞う梅の木の下で物思いにふけるのでした。

そして、この公園に来たもう一つの目的の花。それは「椿」

大きく、立派で綺麗。華やかさをもつ椿の花。
常に芯は真っ直ぐで前をしっかり見据えているそんな姿を見ていると自分も背筋を正ししっかりと歩みを進めねばと感じさせる。
そんな強い華。

また次の機会に拝見するときには一段と成長し大輪の立派な花を見れることを期待せずにはいられないのでした。

MIRROR

お嬢様。いかがお過ごしですか。桐島でございます。

近頃は自分と向き合うという事が増えた気が致します。
お屋敷に仕えるようになり自身を見直す機会がすごく増え、特に身だしなみ、姿勢などは常に見られていると言うこともあり普段ぶつからない張りにぶつかってしまうくらい改善している気が致します。

他には毎シーズン写真を撮ると言うこともあり顔の見た目や体型なども常に意識するようなりました。

筋力鍛錬を常におこなっているので見ていたつもりがまだまだ改善できるところがあり見方を変えると言うことは重要なのだと存じました。

そして今は演じる事もはじまり、行動なども気にする様なり思っても見なかった癖なども発見致しました。

こんなに近い存在なのにまだまだ知らなかったことがたくさんあるなぁと驚く次第です。

今は周りばかり気にすることが多いかと存じますがたまには自身をよく見てあげると様々な発見があり楽しいかもしれません。

もしお時間がございましたら色々な発見のお話をお聞かせくださいませ。

それではまたお屋敷でお会いいたしましょう。

Aurora

“天の絹のように波打ち、夜の帳に静かに落ちる”
— バリー・ロペス 『極北の夢』 より

いつの日か、広い平野の真ん中で大の字に寝っ転がりながら、目の前に広がる静かなダンスを眺めてみたいものです。

オーロラの観測地で有名な地域のひとつに、
カナダのイエローナイフがございます。

バンクーバー国際空港から国内線に乗り継ぎ19時間
北緯62度と、オーロラが発生するオーロラベルトの直下に位置しており、天候も落ち着いているまさに12月から3月が見ごろなのだそうです。

でもマイナス30℃と寒く、根気も時間もいることでしょう。

そんな時は飛行機から眺めるのも一興。
北回りルートですと、ヘルシンキ行きやロンドン行きがおおすすめでございます
オーロラの海を漂いながらの飛行は、きっとまた格別でございましょう。

お散歩日誌 いつもの道のり

敬愛せしお嬢様へ
春を待ち焦がれながらも、なかなかに厚手のコートが手放せぬ日々でございますね
お嬢様におかれましては恙無くお過ごしであられましょうか

どうも寒くなりますと出不精になり、ともすれば運動不足ともなってしまいますゆえ
お暇をいただいた日、お天気が良ければふらりとお散歩に出るよう心がけております。

お散歩のコースはその都度に風の吹くまま気の向くままというところでございますが
この季節におすすめでございますのは、湯島から歩み初めて上野に至るコースでございましょうか。
ちょうど先日もそぞろ歩いてまいりましたゆえ、今宵はそんなお話などいたしましょうか。

湯島の周りにはこだわりを感じさせる個人店の喫茶店が多うございまして、
時勢の名残かテイクアウトに対応してくれるところも多うございます。
お気に掛かった紅茶や珈琲のテイクアウトカップを片手に、湯島天神の庭園に足をお運びいただき見頃の梅の花を眺めながら一息ついていただくのがお勧めでございます。

陽光の中、梅の花を見上げておりますと
肌寒い中にも一欠片の春は感じられるように思います。

湯島を抜けまして歩みを進めるは上野方面でございます。
この辺りの古い街並みは、雑多さとレトロ感が入り混じり、個人的に好みの界隈でございます。
映画「スワロウテイル」を思わせるアジアンパンク感というのでございましょうか。
この地に生きる人々の息吹をリアルに感じながらもどこかディストピアさを感じる
日常をかけ離れて夢遊しているような錯覚に陥れる界隈でございますね。

さて、人様の住まう界隈で勝手にいつまでも夢遊してるのも良くありません。
気分に浸りながらもさっさと移動いたしまして、踏み入れるは上野恩賜公園。
陽光に輝く不忍池を抜けて、美術館方面に足を進めますと
広場周辺ではよく、さまざまなパフォーマーが妙技を披露なさっている場に出くわします。
音楽や絵画、ダンスにマジックと日によって多彩で飽きることがございません。
この日はまるで某ネズミ王国のように、乾いたアスファルトの地面に撒いた水で絵を描くというアーティストの方が、広場そのものをキャンパスとして腕を振るっていらっしゃいました。
芸術というものの地平は実に遠大でございます。

上野公園を抜けます頃には日も傾き始め、この頃に雑然とした上野の商店街へと足を進めます。
上野駅前には20年も前には、聚楽台と申します当時としてもレトロなレストランがございまして
古き良き洋食はもちろん、なぜか拉麺や寿司やカレーまでなんでもありの謎の名店であり
若き頃、上野に参りますたびにお世話になっていた記憶がございます。

今では「じゅらく」と名を変えて小綺麗なレストランになっておりまして、昔ほどではないものの、今でもレトロでカオスなメニューはお楽しみいただけるようでございます。
お近くに寄られましたらお試しくださいませ。

しかし今宵はそちらではなく、より雑然としたアメリカ横丁へ。
1日の終わりを迎えようとしている物売りたちの元気な声を横に、得体の知れないジャンルの衣服なども冷やかしながら(そして時々、何に使うかわからない雑貨をつい買ってしまいながら)さらに上野の深層へと潜ってまいります。

最後に腰を落ち着けるのは、上野ノミヤ街と呼ばれます界隈。
路上にまで溢れ出たテーブルと椅子。どこまでが店舗でどこからが屋台かもよく分からぬような混沌の中で、酒盃を掲げ笑いさざめく老若男女が集う場でございます。

お店の当たり外れが実に激しゅうございますので、どこに腰を落ち着けるかは長年の直感と運次第。
ちょっとしたコツだけそっと申し上げるなら
「お店が古くて綺麗であること」
「お品書きが外にも掲示されていて新しいこと」は当たりのお店であることが多うございます。

こういった地元のお店の良いところは、気さくに周りの方とお話ができること
実に人種職種豊かに集う場でございますので
それはもう学生から芸術家や役者、公務員に政治家、貿易商にレーサーまで
毎回全く知らない世界のお話など聞けて見識を広めさせていただいております。

愉快なお話と美味しい酒肴を楽しんで、盃三つひとときほどにて失礼させていただき帰路につき
明日どのように今日の旅路をお嬢様にお話ししようかなどと考えながら夜道を歩む
そんなお散歩道でございました。

 

 

 

 

別邸に到着すると
お酒くさいと嫌がられて鼻先を猫に引っかかれるまでが
お散歩日和のワンセットでございます。

日誌

お嬢様、お坊ちゃま。
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます
中島でございます。

 

年度末の3月でございますね。

様々な移り変わりの季節でございますと同時に、新しい物事や新しい出会いに心踊らせる時期でございます。

 

 

間もなくティーサロンも誕生日を迎え19歳になろうとしてございます。

開館19周年でございます。

素晴らしいものでございますね。

19年前と申しますと私は何をしておりました

でしょうか。

恐らくまだ1人で自転車や電車に乗れない

未熟な子供でありましたでしょうか

そんな頃からティーサロンを守り、お嬢様にお仕えする先輩使用人に偉大さを改めて感じます。

私にとっては始めて迎える記念日でございますが、

このような長きに渡る伝統にこうして携わることができ大変嬉しく存じます。

 

今月もまたお屋敷で温かい紅茶と美味しいお食事をご用意してお待ちしております。

それでは。