日誌

ご機嫌麗しゅうございます、荒木田でございます。

先日、何とはなしにお屋敷のそばを歩き散らしていた時のことでございます。
電信柱に雑に括られていた張り紙がふと目に留まりました。
「木のぬくもり溢れる新築戸建4LDK〇〇万円〜」
立地が分からないからお得感が伝わらないわ、ですとか、令和でもこんな広告が生き残っているなんて寧ろ雅ですわ、なんて感想が頭をよぎる中、最後まで私の心に残った言葉は「木のぬくもり」でございました。

木のぬくもり。よく使われる言葉でございますね。ただ、ハテ、と疑問も浮かびます。
本当にぬくもり、あたたかみがあるのだろうか、と。捻くれ者の荒木田でございますから、木のぬくもりがあふれる4LDKよりも、全室床暖房のぬくもりや最新式のAIエアコンのぬくもりの方がより良いのではないか、と思ってしまったり。

確かに、科学的な事実はございます。木材は熱伝導率がコンクリートや鉄に比べて低いですから、それらと違って触れた時にひんやりとしません。ただそれはあくまで相対的に冷たさを感じないだけであって、ぬくもり、というのとはまた違う気がします。

なんて屁理屈を並べながら色々な様相の新築戸建に思いを馳せているとしかし、言葉の真意に辿り着きました。
打ちっぱなしのコンクリートで囲まれた部屋。確かにモードでスタイリッシュではございますが、何物も受け付けないような尖った洗練さがございます。格好いいのですが、息が詰まってしまいそうです。
対して、木目調に囲まれたナチュラルなお部屋はといえば。洗練されているわけではないし、スタイリッシュでもございません。しかし、居るだけでほっとするような心地よさがございます。
まるで、ここにいてもいいよ、と伝えてくれているようではございませんか。それはなぜなのでしょう。木目の色味によるものなのか、木材の熱伝導率によるものなのか。

木のぬくもりの本質とはきっと、受容なのではないかと思うのです。何物も拒まないようなおおらかな強さ。数百年生きてきた木材だからこそ出せる強者の余裕、とでも言いましょうか。出来立てほやほやのコンクリートには出せない深みでございます。合理的な機械には決して醸し出すことのできないおおらかさ。
そんな受容こそが、ぬくもりを感じさせるのだと。

それでは私も受け入れられたい、と喜び勇んで、張り紙の下の方に記されていた電話番号にかけてみました。
ぜひ私に内見をさせてはくれませんか。そして大黒柱を抱きしめてそっと一人言ちるのです。
「嗚呼、あたたかい」と。
フフ、背後で青ざめる不動産屋の顔が目に浮かぶようでございます。お次はフローリングに頬擦りでもいたしましょうか。あ、流石にそれはよろしゅうございませんね。木々はきっと受け入れてくれるでしょうが、世間体というものは受け入れてはくれませんので。
……なんて思っていたら、耳元から声が。

「この番号は現在使われておりません」

なるほど。
機械音声というのは、冷たいですね。

何の気なしに、お写真を。
長野県は青鬼集落の青鬼神社境内より。
木々のぬくもりに溢れた静謐が心地良うございます。

焼き菓子

ルミエールデピスという名前の焼き菓子をご用意させていただいております。

「スパイスの輝き」といった意味でして、まさに夏に食べたくなるようなスパイスの力強さを感じられる味わいに仕上がっております。

カルダモン、クミン、レモンをキャラメルナッツと合わせているのですが、一番のこだわりはしっかり効かせたブラックペッパーでございます。

パティシエと意見を交換した際には「しっかり辛いと感じられる量」と提案しております。

ブラックペッパーは辛さよりも香りが魅力のスパイスだとおもいますので、どうしても辛さが出づらいと思うのですが、今回は口に含んでしばらくして、アフターテイストでじんわりと辛さが浮かんでくるような味わいに仕上げております。

真夏に強めに淹れた、ディンブラやウヴァなどを合わせれば幸せでございましょう。
お酒でしたら冷凍庫でしっかり冷やしたジンやウォッカ、シルバーテキーラなどは辛さと心地よくなじむかと存じます。

お手に取っていただければ幸いです。

 

いつも我儘を形にしてくれる当家のパティシエには感謝です。

Overlay

魔法びん構造のタンブラーの有用性にようやく気付くことができました。

まだまだ、夏のアディショナルタイムを満喫している能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

夜長月を迎えることになりましても中々残暑の厳しい季節でございます。

天候不順も大きい秋口の時候、中秋の名月は無事に見られるでしょうか。

 

夜空を見上げる機会も幼少の頃より随分と少なくなったように感じます。

実際に自分の目で確かめなくても美しい風景が手に入るからでしょうか。

検索することに夢中になりすぎて、下ばかり見てしまうからでしょうか。

便利な世の中と反比例するかのようにわびさびを忘れてしまうようです。

 

調べてみますと、本年は9月17日が十五夜の当日だそうでございます。

勿体なく感じましたので今年の秋は名月をこの目で見届けよう思います。

例年とは違う予定を書き入れたスケジュール帳に満足してしまいました。

非日常なひとときを過ごすロマンが感じられて嬉しゅうございますよね。

 

見上げる夜空繋がりで申しますと、9月12日は宇宙の日でございます。

宇宙飛行士の毛利衛さんが日本人として初めてスペースシャトルに乗り、

宇宙へ飛び立っていった日ということで「宇宙の日」と制定されました。

これも、ロマン。誰しもが一度は憧れる職業、宇宙飛行士。かっこいい。

 

お屋敷に務める使用人たちが卒業文集の将来の夢の欄に何と書いたのか。

非常に興味が湧いてまいりました。皆に聞いてまわってみたいものです。

 

お嬢様も幼少の頃の夢のお話、ぜひ聞かせてくださいね。

 

能見

長月

暑さ寒さも彼岸までと申しますが、いまだ暑い日が続いております。

お嬢様いかがお過ごしでしょうか、乾でございます。

 

先月、私の「キャラメルナッツタルト」をお召し上がりいただきましてありがとうご
ざいます。

非常にご好評いただき嬉しく思っております。

また、私のわがままを聞いて共に作り上げてくださったパティシエには本当に感謝して
おります。

今後も美味しいスイーツやアイスをご提供できるようにいたしますのでご期待頂けれ
ば幸いです。

 

今月はお月見うさぎでございます

 

 

 

 

 

 

 

お気に召してくだされば嬉しゅうございます。

 

お嬢様のお帰りをお待ちしております。

 

Orthodoxy

お嬢様、お坊ちゃまご機嫌麗しゅうございます。
冴島でございます。

今月ティーサロンにて大旦那様の命により私が監修したケーキをお出ししてございます。

私のケーキは月の前半にご用意しておりますが去年の秋頃にケーキをお出ししてからもう一年かと時の早さに驚くばかりでございます。

去年は芋ようかんタルトをお出し致しましたが今年は巨峰のモンブランをご用意致しました。

今までココナッツや芋ようかんなど少々風変わりなお味を用意してきた私でございますが今年の秋はなんと王道の巨峰でございます。

香ばしいタルト生地の上に旬のぶどうを使用したジャム、レッドグローブ、カスタード、ジェノワを重ね、ぶどうジュレとふわふわなぶどうのクリームを絞ったモンブランでございましす。

王道なお味ゆえ様々なお嬢様、お坊っちゃまにお楽しみいただけるかと存じます。

ご帰宅の際にはぜひお召し上がりくださいませ。

そんなケーキに合う紅茶も様々取り揃えてございますので一緒にお楽しみになる紅茶にお悩みの際には当家使用人達にお聞きくださいませ。
きっとそれぞれの提案もお楽しみいただけるかと存じます。

そして私がお仕えする際には感想もお聞かせくださいませ。

それでは今月もティーサロンにて温かい紅茶を用意してお嬢様、お坊っちゃまをお待ちしております。

冴島