つい昨年までは、オリーブオイルと塩でそうめんを食べることが気に入りだったわたくしですが、食べ続けるとクドい、というさも当然な悩みによって私的な流行りは下火となってしまいました。
いかがお過ごしでしょうか。
伊織でございます。
幼少のころ、夏といえばそうめん、という具合によく母が用意してくれたものです。
めんつゆで食べるのがスタンダードでしたが、カレーライスを夕食とした翌日、冷えたカレーをめんつゆに溶かし込んで食べるというのもまた、我が家の風物詩でございました。
しかし、ある時期から「もう一生分のそうめんは食べた」という気がしてならず、そうめんを避けるようになってしまったのです。
嫌いなわけではありませんが、自ら食べたいとは思わない、という具合です。
ちなみに同じように「一生分食べた」と自負しているのはバナナチップスです。今は目にするのもはばかられます。
それはさておき、そんなそうめんを避ける気持ちが一転、またそうめん好きに引き戻してくれたのは海外での出来事でした。
留学中に母より送られてきた段ボールの中に、そうめんが入っていたのです。
「もう一生分のそうめんは食べた」と感じていたわたくしですから、なかなか手が伸びませんが賞味期限は長いので心配はありません。
なんて悠長なことを考えている内に賞味期限は目前に迫ってきます。
贅沢のできない学生の身ですから、食べられる物を粗末にするわけにもまいりません。
わたくしは渋々そうめんを茹でることにいたしました。
賞味期限間近のそうめんは、おいしかったです。
なにせアメリカ留学中です。そうとう意識が高くない限りはご想像通りのアメリカンな食生活の毎日です。
語弊を恐れず申しますなら、糖×脂肪のカロリー乗という摩訶不思議な計算式がまかりとおる毎日、そんな中でであったそうめんとめんつゆの、まぁなんとさっぱりしていたことでしょうか。
わざわざ流しそうめんなんてする必要もございません。
脳内では、訪れたこともない峡谷の清流の画が描き出され、見たこともないカワセミの狩猟の様子が映し出されます。
Mac & Cheeseでは決して体験することのない食事体験でございます。
これ以来わたくしは、すっかりそうめん好きに返り咲いたというわけでございます。
お嬢様はそうめんは召し上がりますか?
なにかアレンジを加えて召し上がっていますでしょうか?
オリーブオイルをつけるときは、ぜひ少なめにしておいてくださいませ。