TEKAPO

梅雨入りが遅れたことで、なかなか季節の流れに乗れないでおります。
近年、エスニック料理に少しずつ魅了されてゆく能見でございます。
お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

珍しい性格だとは自覚しておりますが、私は夏が大好きでございます。
降りしきる太陽光。鳴りやまない蝉時雨。そして突然やってくる夕立。
夏を穏便に過ごすにはなかなかに障壁が多いことも事実でございます。
しかしそれを差し置いても私には夏を嫌いになれない理由がございます。

端的に申し上げますと、思い出がたくさん積み重なっているからです。
幼少の頃を振り返ってみますと、その殆どが夏にまつわることでした。

電気やガスや水道が一切通っていない山小屋で一週間も過ごしたのも。
幼馴染と花火合戦を繰り広げた末に、近所の雷親父に激昂されたのも。
初めての海釣り公園で掛かったサバに釣り竿を真っ二つにされたのも。
富士登山のとき台風に襲われて五号目でカレーだけ食べて帰ったのも。

そういえばいつも季節は夏だったなあと振り返っております。

様々な思い出を辿るたび、いやこのままこうしてはいられないと、
衝動に駆られて外に飛び出すことが最近はより増えた気がいたします。

ちょうど六月の半ば、環と葉山とともに鎌倉へ行ってまいりました。
今振り返ってもなかなか筆舌に尽くしがたいメンバーでございます。
見頃を迎えた色とりどりの紫陽花が我々をお出迎えしてくれました。
長谷寺の観音像は荘厳さから立ち尽くすことしか叶いませんでした。

幼少の頃の冒険もワクワクいたしましたが大人の旅も心地いいですね。
葉山がエスコートしてくれた鎌倉にもまたひとつ思い出ができました。

能見