Summer

お嬢様、お坊ちゃまご機嫌麗しゅうございます。

花火の聞こえる夜、蝉の鳴き声や風鈴の音、蚊取り線香の懐かしい香り、そして美味しいラムネやかき氷が楽しめる夏。

そらを見上げればベガ、アルタイル、デネブが見える7月。

お嬢様、お坊ちゃまは何か夏のご予定がございますか?

お屋敷でアイスティーを楽しみながら夏の思い出や、ご予定が聞けたら嬉しゅうございます。

久保は少々夏に弱く、力を振り絞って日誌を認めてござい….zzzz

言語化

ご機嫌麗しゅうございます、お嬢様。
隈川でございます。

現代はインターネットやソーシャルネットワークサービス、本、雑誌など様々な媒体から情報を気軽に享受することのできる世の中でございます。

しかし、そんな風に文字を読み、声を聴く機会は増えているはずなのですが、反比例に「自分の言葉」で話す方は少なくなっているのではないかと感じています。

自分の思っていることを、すでにどこかの誰かが扱い易い言葉にカテゴライズしてくれていることが多いからでしょうか。

例えば
心が動く体験や景色は全て「エモい」
胸を打たれるときめきは全て「カワイイ」
個性的な感性を持つ人は「クセが強い」

ぱっと言語化できて大変便利ですね!
実際にこういった流行りの便利な言葉たちは人と意見をコンパクトに共有するときに大変便利ですし、私も決して否定はいたしません。現代の素敵な言葉たちです。

ただ、自分の中にしか存在しないはずの大切な気持ちがどこかの誰かの言葉の中でぼやけてしまうのは、とてももったいないことのような気もするのです。

誰かが言語化してくれた便利な言葉だけに頼らず、まとまらなくても伝えきれなくても自分の中から生まれた言葉を大切に伝えてゆけたらとても素敵ですよね。

私は拙くても気持ちのこもった言葉が好きです。エモい?と思います。

隈川

日誌

椎名でございます。

梅雨のせいか蒸し暑い日々がつづいております。

 

ドアマンも気づけば軽装になりましたり、お屋敷内では様々なアイスティーが姿を見せていたりと、夏の訪れを感じてございます。

今年の暑さも例年並みかそれ以上の気温になると予想されているそうで、なんでも「災害級の暑さになる」などとニュース番組から伺ってもございます。

…とはいえ、この手の話は毎年耳にするもので、怖さ半分でありながらも、まるで例年のボジョレーヌーボーのような言い回しに少し懐疑的な気持ちにもなっては参りますね。

しかしながら、予想を裏切らぬ暑さならば用心せねばなりませんので、

お嬢様も手に入りにくい時期になる前に、暑さ対策の備品やお召し物は早めにご用意くださいませ。

 

さて、先日行われました朗読サロンでは、誠にありがとうございました。

おおよそ10年ぶりとなったお屋敷での朗読は、懐かしくも新鮮な気持ちで臨むことが出来ました。

藤堂執事の元気なお姿をお嬢様へお届け出来ましたのも使用人として喜ばしい出来事でございました。

後日藤堂執事からも、私共使用人へのねぎらいの言葉。

そして改めてお嬢様への御礼、そしてお体を気遣われる旨頂戴しましたので、代わってお伝えさせて頂きます。

 

また機会がございましたら、ぜひ開催させていただきたいと存じます。

 

 

さて、今回の朗読会も私は出演とともに音響(+ちょっと照明)を裏で努めてございましたが、BGMを選定するにあたっては100曲ほど視聴してまいりました。

わたくし個人の好みの問題でもあるのですが、物語における音楽はその場の感情を情景を表現するうえでとても重要な要素と考えてございます。

演奏がかかるタイミングや、旋律の盛り上がりと物語の同期。

映画作品などは、まさにそのシーンのために楽曲が書き下ろされ、ベストなタイミングで物語の進行と同期してくれます。

私の曲選びのコンセプトも、なるべくそういったものに近い楽曲たちでありたいという思いから選定してございます。

そのために楽曲の長さを編集し、タイミングを合わせるような工夫も致しました。

存在感がありながらも、朗読やせりふを邪魔しない、まるですべての「音」が一体となった感覚。それが私の目指している音響としての在り方でございます。

 

一方で役者的観点で見るならば、「音楽に乗る」ことが出来ると芝居がしやすくなります。

見方によってはそれを“甘え”ととらえる演出家や役者もいらっしゃったりしますので、なかなかに難しい問題です。

いつも音響家としてと、役者としてとの狭間で、苦心する部分です。

 

…少々余談が過ぎましたが、そんな裏の話もご紹介させていただきました。

 

それでは、この夏も十分に体調にお気を付けくださいませ。

日誌

お嬢様、おぼっちゃま、
奥様、旦那様。
ご機嫌麗しゅうございます。
山岡でございます。

雨が続く時期になりましたね。
今年の梅雨入りは私の中では例年に比べ遅い印象を抱いたのですが、
そういえば昨年はどうだったのだろう、
その前はどうだったのだろうと、
気になり気象庁のホームページを見て参りました。

そうしましたらなんとそもそもですね、
今年の梅雨入りは6月7日頃と
記されているのでございます。
過去10年を遡ると、
2015 6/3頃
2016 6/5頃
2017 6/7頃
2018 6/6頃
2019 6/7頃
2020 6/11頃
2021 6/14頃
2022 6/6頃
2023 6/8頃
との事でございました。
こちらをご覧になられてお嬢様おぼっちゃまは
どのように思し召されますでしょうか。

山岡の率直な感想は、
え?そんなに早い?でございます。
正直昨年以前の記憶は残っておりませんので体感との差異を思うことは出来ないのですが、
今年はどう見たって6月の下旬、最後の週辺りから雨が増えてきたように感じております。
体感とデータはこんなにも違うのかと、驚かされた出来事でございました。

早く明けてカンカンに照り付ける陽の下を汗だくになりながら走り回りたいものでございます。

それでは、山岡でございました。

第三十回アイスティーの魅力

雨の日が続き憂鬱な時もありますが、紫陽花が美しい今日この頃。
いかがお過ごしでしょうか?お嬢様、お坊ちゃま。
紅茶係の白川でございます。
本日は目前に迫ります夏を迎えるのにぴったりな紅茶のご紹介。

それでは参りましょう、アイスティーの魅力の幕開けでございます。

それはあなたにとってどの様な紅茶でございますか?

??「それは当家のカラー、スワロウテイルブルーを落とし込みました紅茶でございます。」

??「それはイタリアの海、地中海でございます。」

なんと!?お二人から返答がございました!
そう、今回は準レギュラーと言っても過言ではない、執事歌劇団メンバーかつティーインスタラクターの二人が幾度目かの登場。
アイスティーに合う紅茶〝バタフライブルー〟を伊織、〝イルマーレ〟を隈川とともにその魅力に迫ります。

バタフライブルー、イルマーレ、この二つの紅茶が生まれましたきっかけは、

「ティーサロンで楽しめる、青い紅茶を考えてはくれぬか?」

と、大旦那様の命から始まりました。

かくして二人は青ならばとバタフライピーを使用しそれぞれ違う紅茶を作ることになったのでございました。

まずは伊織のバタフライブルーでございます。
その内容はアップルのカットとミント、フランスではベルベーヌと呼ばれますハーブティーの女王レモンバーベナ。こちらはその名の冠するとおりレモンの香りのするハーブでございます。
そしてバタフライピーをふんだんに使用しました。

伊織「お嬢様にスッキリと爽やかに召し上がりいただきたくブレンドいたしました。」

「バタフライブルーを淹れましたときのスワロウテイルブルーがごとく、濃紺の美しさも味わいとともに楽しんでいただけたら幸いでございます。」

隈川「バタフライブルーにティーサロンでも提供しておりますガムシロップを加えると素敵なことが起こります。是非、お試しを。」

おおっと!
それでは待ちきれずに登場の隈川にバトンタッチと行きましょう。

続いてのイルマーレでございます。

イルマーレは台湾烏龍茶である四季春、ジャスミンティーのメイリン、抗酸化作用の高いほんのり甘みのあるミルクシスルとバタフライピーを少し。
隈川「ブレンドはホットでもアイスでも美味しく、お食事とも合うようにこだわりました。」

その色はまさに美しい地中海を彷彿とさせる青緑。
イルマーレはイタリア語で海の意。
隈川「紅茶係によってまるで実際の海のように変わる色合いもお楽しみいただければと存じます。」
翡翠色から瑠璃色の間を漂うその美しき海を是非、ティーサロンでお楽しみくださいませ。

いかがでございましたか?
ティーサロンに登場しました二つの青。
かたや鮮烈な青、バタフライブルー。
かたや穏やかな海の青、イルマーレ。

どちらにしようかしら?と迷う必要はございません。
もちろん両方でございますよね、お嬢様?

次回はどの紅茶にいたしましょう?
それでは次回まで、
ごきげんよう!お嬢様、お坊っちゃま。

日誌

ご機嫌麗しゅうございます、荒木田でございます。

ぽつぽつ。ぱらぱら。ざあざあ。しとしと。

時に。雨はお好きでございますか?
おそらく、NOという言葉が聞こえてくるのではないでしょうか。
折角のお召し物が濡れてしまいましたらばその日の気分も台無しですし、太陽が見えないとなんとなく鬱屈としてしまう、というのは誰しもが抱く感情でしょう。そもそも、傘という荷物が増えるのもあまりスマートではございませんしね。
お屋敷の使用人たちも、朝から雨が降っている日は心なしか顔色が悪いように見えます。偏頭痛で頭を抱える使用人も若干名。あ、これは違う話か。
ともかく、一般的に雨というのは望まれない天気であるかと存じます。
「嫌な天気」という不名誉な称号も得ていることですしね。

さて。
そんな嫌われ者の雨でございますが、私はそんな彼らと相対した時、密かに楽しんでいることがございます。
……それは”雨音”でございます。
いや正確には”雨音を表現する”と言った方が適切でしょうか。

窓や屋根、傘や地面を叩く雨音に耳を澄まし、その雨音を自身の素からまろび出たオノマトペで表現するのです。
それの何が楽しいのか。
一言で言うと、自分を再認識する、自分探しの一種でございます。
耳というデバイスで集音し、鼓膜を震わせた雨音と言う波を、脳というCPUで理解し、判断し、アウトプットする。
まさにその時、既存の価値観に囚われない、自身の、何者にも侵されない絶対的で根源的な判断を持って、表現する。

本当に、
小雨はぽつぽつと聴こえるでしょうか。
驟雨はざあざあと響いているでしょうか。
霧雨はしとしとと鳴っているでしょうか。

言語という文化を可能な限り絞り出し、最後に残った出涸らしにこそ自己は眠っているのではないでしょうか。
そしてその自己を知ること。他を知り己を知る、というのとは、ややニュアンスが異なりますが、そうやって暗がりに潜む自分の深層意識を手探りで感じるまたとない機会でございます。

日本語には多くオノマトペがございますが、とはいえこれは雨音に限った話ではなく。
あまり犬は「わんわん」とは鳴きませんし、咀嚼音が「もぐもぐ」と聞こえることもございません。心臓が「ドキッ」と鳴ればそれは恋ではなく不整脈ですし、「シーン」と静かな環境は、果たしてそれでいいのかと首をかしげたくなります。
日常のいたるところに楽しみは潜んでおりますね。

というわけで、今年の夏はこっそりと書庫を抜け出して、日本中のありとあらゆる川の上流より桃を流し、実際に「どんぶらこ」と聴こえるかをセルフ自由研究として掲げてございます。(久保と小瀧を連れて行きます。無理矢理にでも)
お嬢様、お坊っちゃま。川に洗濯に行く際は何卒耳をお澄ましくださいませ。

ああそれから。 7月より、当家のギフトショップにて、くるみを使用いたしましたリーフパイをご用意してございます。
さくさくのリーフパイにカリッとくるみがアクセント。 ……オノマトペが適切かどうかは、ぜひお試しいただければ幸いでございます。

 

 

 

こちら、北海道は大雪山国立公園より。ぼろぼろの旧士幌線はしんしんとしたノスタルジックの中にひっそり潜むオカルティズムが心地良うございます。
もふもふの蝦夷栗鼠もリーフパイを食べに来てくれると嬉しゅうございますね。

七夕と夏服と

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

七月といえば、七夕祭りでございますね。
毎年、ティーサロンの玄関には笹の葉が飾られ、訪問されたお嬢様方の願いごとが下げられるのが恒例の行事でございます。

 

色とりどりの短冊でよく目に致しますお嬢様の願い事の一つが、“ー誰々の夏服姿が見たいー”というものです。
フットマンの普段と異なる装いは、どうやらお嬢様方にとって、夏の盛りの大事なお楽しみのようでございますね。

 

実は、司馬もひそかに夏服には憧れておりましたが、執事という役職には夏服がなく、叶わぬ願いと諦めておりました。
ところが、でございます。
昨年末から時折、ドアマンの役目を仰せつかることが増えまして、なんと晴れて今年は夏服を披露することが叶ったのです。

 

似合っているかどうかは別にして・・・。

 

フットマンとはだいぶ様子も異なりますが、司馬の夏服姿がお嬢様方のお気に召していただけるのなら、これほどうれしいことはございません。

 

というわけで。
願いごと、とは決してすぐに叶うとは限りませんが、願わなければ叶うこともございません。
どうかお嬢様方におかれましても、少しくらい我儘と思われても構わないお気持ちで、思うがままに願い事をお書きくださいませ。
使用人一同、その願いが叶うよう、精一杯に尽力致します。

 

―大切なお嬢様方と使用人仲間達が、この夏を涼しく乗り切れますように―

 

ちなみに、司馬が短冊に記したい願い事でございます。
ささやかではございますが、叶うことを心より願っております。

 

では、まもなく夏の盛りを迎えますが、どうぞご自愛くださいませ。