ジングルヘル

敬愛せしお嬢様へ。

窓から差し込む朝日が、凍り付いた窓に反射しステンドグラスのように輝く…そんな季節でございます。
朝、お目覚めの時にご寝所を離れるのが辛い季節でもございますが、寒さごときに屈しては、スワロウテイルが令嬢の名折れでございます。どうぞ気合一閃、凛々しく毎朝のお目覚めという戦いに勝利なさってくださいませ。

さて、世間は気が早いもので、下々の街は既にクリスマス一色でございます。
聖人の微笑みが街にあふれ、銀に輝く十字架が定番アクセサリーのように軒々に吊られ、耳に届くのは清らかなる賛美歌のメロディ…。

……。
…………。

お嬢様。時任ちょっと生物的な意味で生きていくのが辛いので、来年まで冬眠してよろしいですか?

いけませんか。畏まりました。

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