宝塚歌劇「カナリア」

藤堂でございます。

2001年に匠ひびき主演で上演された作品の再演で、今回は
花組の壮一帆が主演の東京特別公演です。パリを舞台に
小悪魔が、人間界で最初に出会った女性を不幸に落としこもう
と引き起こす騒動をファンタジーでありながらペーソスも
あり、ブラックユーモアもあり現実離れした大人のお伽話
です。

卒業を間近にひかえた悪魔学校ではヴィム(壮)が最後の
課題に取り組むために人間界に送り込まれようとしている
ところから始まります。一人前になるには人間界で最初に
会った女性アジャーニ(実咲凛音)不幸に陥れるはずが、
アジャーニはこれ以上不幸になりようがない悲惨な人生を
過ごしてきていて、これ以上不幸にするにはどうすれば
いいのか考えた末ある方法に気付き実行に移して行くのだが
・・・・

初演は知りませんが、今回の壮一帆さんにこの役はピッタリ
です。努力をされたとは思いますが、明るく生き生きと
演じていられます。ファントムあたりから躍進著しく是非
トップになってほしいと願うのは藤堂だけではないと思い
ます。アジャーニ役に抜擢された実咲凛音さんは大役に
自身の可愛く明るさを発揮され、役に対する理解も深く
いづれ娘役のトップになられるのではないかと期待して
います。

特筆すべきは悪魔学校の校長を演じられた悠真倫さん
(ゆうみ りん)が貫録があり面白く演じられ印象に
残ります。
兎に角笑わせてくれます。

とても楽しい現実離れしたミュージカルを機会がございま
したら是非ご覧下さいませ。

2011年12月  藤堂

臆病者の戯言

百合野でございます。

幸せを見つける度につい誰かに伝えたくなってしまいます。

私は、小さな幸せが大好きでございます。
大きな幸せがどっと訪れるよりも
継続的な幸せがずっと続くことが大好きであります。

最近、小さな頃の記憶が戻ってまいりました。
私は毎日同じことを繰り返すことが大好きで
祖父や祖母とのお茶菓子を交えながらの会話の時間が好きでございました。

しかしながら家族を失っていき、周りの環境の厳しさを知り
同じ日常を繰り返す難しさを知りました。
大きな目標を達成する事も大変な事ではございますが、
小さな幸せを続ける事はなお大変なのかもしれません。

おや…

そんな日誌を書いていましたら、
今の幸せを失うことが怖くなってしまいました…。

どこまでも臆病な者でございますね…。
いけないいけない…
つまり伝えたかった事は
その不安が呼ぶ小さな幸せの価値もあるという事でございます。

今あるものが当たり前だと思わないように…
大切にしていきとう存じます。

ですので…
幸せを見つける度につい誰かに伝えたくなってしまいます。

ジングルヘル

敬愛せしお嬢様へ。

窓から差し込む朝日が、凍り付いた窓に反射しステンドグラスのように輝く…そんな季節でございます。
朝、お目覚めの時にご寝所を離れるのが辛い季節でもございますが、寒さごときに屈しては、スワロウテイルが令嬢の名折れでございます。どうぞ気合一閃、凛々しく毎朝のお目覚めという戦いに勝利なさってくださいませ。

さて、世間は気が早いもので、下々の街は既にクリスマス一色でございます。
聖人の微笑みが街にあふれ、銀に輝く十字架が定番アクセサリーのように軒々に吊られ、耳に届くのは清らかなる賛美歌のメロディ…。

……。
…………。

お嬢様。時任ちょっと生物的な意味で生きていくのが辛いので、来年まで冬眠してよろしいですか?

いけませんか。畏まりました。

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