拝啓、我が敬愛せしお嬢様、真夏を思わせる暑い日々が続いておりますが、ご健勝にお過ごしでございましょうか。
先日までまだ桜が舞っていたような気が致しますのに、何とも季節の巡るのは早きことにございます。
過ぎた季節に驚いてしまうほどに、忙しく充実した日々を過ごさせて頂いているのかと思うと、有難き限りにございます。
季節の移り変わりも、世俗の流れも、人々の移ろう様も誠に慌ただしい事でございますが、私共はいつでもお嬢様方がサロンにお戻りの際にお寛ぎ頂けますよう、
サロンを磨き、カップを磨き、人を磨き、万全の備えでお待ち申し上げております。
この身が御傍に在れる限り、僅かでも御役に立てますように。
それはそれと致しまして。
またつらつらと駄文をしたためてございますので、お暇なときか眠れぬ夜にでもご覧くださいませ。
目を閉じ羊を数えるよりは、迅速に眠りに墜ちれるのではないかと自負しております。