我が敬愛せしお嬢様へ。
ご機嫌うるわしゅうございますか?時任でございます。
気付けば桜も咲き誇り、薄紅の霧の如くに庭園を彩る季節となりました。
陽射しも大分暖かくなったと聞き及んでおりますが、三寒四温とも申します。油断して凍えたりなさいませんよう、上着はまだ温かいものをご用意くださいませ。
さて、そんな桜の季節でございますが。
私事にて恐縮ながら、時任めこの時期には恒例の用事がございまして、大旦那様にお休みを賜り些か遠出をしておりました。
今宵は、そんな休日のことを寝物語代わりに綴らせて頂きます。
どうか、お休み前でなのに目が冴えたときや。昼下がりにお暇ができたときなどにお読みいただけたら幸いでございます。