白米の魅力を五臓六腑であますことなく感じられることに感謝いたします。
伊織でございます。

どんなお米を召し上がっていますか?
ササニシキ、コシヒカリ、あきたこまちなどなど、人々の努力により様々なお米の品種が食卓を賑わせております。
こうしたいわゆる「うるち米」のほか、「もち米」も赤飯やおこわ、お餅として口にする機会がございますね。
しかし、お米はお米でも、なかなか食べる機会のないお米というものも存在します。

それが、「酒米」でございます。
その名の通り、日本酒を作るためのお米であり、そのまま食用とするうるち米とは異なります。わざわざ区別するということは、それだけ違いがあるということであり、端的に申しますと、ご飯として炊いて食べてもさほどおいしくないということでございます。

おいしくないといわれましたら、何がどう違うのか確かめたくなるのが人情でございます。
そこで、めずらしく食用として販売されておりました「山田錦」を実際にいただくことにいたしました。

【実食して分かったこと】
ふつうのお米と比べて……
・水加減が難しい
・炊き上がりの艶がない
・粘りがなくパサついた印象
・甘みが少ない
・とはいえ、言うほどおいしくないわけではない

数度炊飯してみましたが、上記の印象が大きく変わることはありませんでした。食べられないこともありませんし、だからといって大手を振るっておいしいと言えるわけでもなし……ちょっと水加減を間違って炊いたご飯という感覚がもっとも適した表現のように思いました。いいあんばいに炊き上げるには、もっと研究が必要なのかも知れません。

やはり餅は餅屋です。
酒米にはおいしいお酒に変身してくれることを期待して、三度の食事にはうるち米をちょうだいすることといたします。

体調管理

夏、日差しも厳しい最中、いかがお過ごしでしょうか?
伊織でございます。

日差しが強い日も少なくはありません。使用人の中にも、日焼け対策に余念のないものが見られます。
とはいえ、身を守らなければならないのは日差しからだけではありません。脱水や熱射病への注意も怠ってはなりませんね。

以前、「水分」を摂ることと「水」を摂ることは違うという話を聞いたことがあります。
純粋に水を飲むということが、水分を摂るとは違った機能を果たすということだそうです。甘味やアルコールが添加された飲み物と水を比べれば、まぁ、納得でございます。
水分補給と一言に申しましても、おとりになる飲み物はお選びくださいませ。

香魚

今年はあっという間に過ぎていってしまうように感じます。
7月を迎え、すでに2020年を折り返してしまいました。
少しでも充実した後半にできますよう、努めたいと思います。
伊織でございます。

鮎の出回る季節となりました。
鮎と言えば、やはり塩焼きでございますかね。
新鮮な鮎の焼きたては、本当においしいものです。できることなら白いご飯より、冷えた日本酒で楽しみたくなってしまいます。
お酒に合わせるとなると、塩焼きとならんでいただきたくなるのが、背ごしでございます。
いわゆるお刺身でございますが、お刺身で食べられるということは新鮮である証でもあります。
新鮮な鮎が食べられるところに行きたい……とも言い換えられますね。
木漏れ日と皮のせせらぎを薬味に鮎とお酒で過ごす夏、今年も夢物語のまま過ぎ去っていきそうです。

ファーストフラッシュも出回り、セカンドフラッシュも摘まれようかという時季となりました。
日に日に近づく夏を窓外に感じる毎日でございます。
いかがお過ごしでしょうか、伊織でございます。

所変われば水も変わります。
お屋敷で淹れる紅茶と別宅での紅茶に差異を感じられたとしても、しかるべきなのかも知れません。
水を変えることでお茶の味わい、香り、水色も変化するわけですが、何がどう変わるのか、というのはなかなかつかみづらいものです。

そこで、極端に水質の違う水を作って実験してみてはいかがでしょうか?
わたくしも紅茶の勉強をする最中で触れた実験でございます。
用意するものは、

・水
・紅茶葉
・クエン酸
・重曹

以上でございます。

クエン酸を溶かした酸性水と、重曹を溶かしたアルカリ性水を作り、それぞれで淹れた紅茶を飲み比べるわけです。
味わい、香り、水色……そのどれもに、普段召し上がる紅茶からの変化が認められるはずです。ひとつお話のネタにお試しになってみてはいかがでしょうか?

また、あまり極端に強酸性、強アルカリ性に作る必要はございません。お体に触りませんようお気を付けくださいませ。

和菓子

陽の光もあたたかく、過ごしやすい季節になってまいりました。
風の中にひそむ青々しい薫りが、季節の移ろいを感じさせてくれます。
いかがお過ごしでしょうか。
伊織でございます。

和菓子が表現する季節感には、非常に心打たれるものがございます。
控えめながらも、自然の美を切り取って表現する職人の技をたたえながら、大切にいただきたいですね。
今時期でしたら、つつじや藤などが題材に採られるでしょうか。
身近に味わえるものでしたら、草餅や柏餅などもよろしゅうございます。
見た目の美しさで迫るか、素材の薫りで楽しませるか、あわせるお茶にも一工夫したくなるものですね。

ミントの仲間

まだ終わらない花粉の季節、少しでも快適に過ごしたいと願う伊織がおります。
いかがお過ごしでしょうか。

すーすーして鼻通りをよくしたり、リフレッシュするとなれば、やはりいの一番に思い浮かべるのはミントではないでしょうか?
ペパーミントにスペアミント、ティーサロンのハーブティーに使用しているものなら、アップルミントなんてものもございます。

そんなミントの仲間で、わたくしの気に入りのハーブが「ウィンターグリーン」でございます。
…………厳密にはミントの仲間とは言いがたいのですが、その清涼感のある香りは、見知ったペパーミントやスペアミントと並べても遜色はございません。
ただし、その香りは素直にミントかと問われると、少しばかり応えに窮してしまいます。
なにせこのウィンターグリーン、香りを例えるなら「湿布薬」そのものなのです。おじいちゃんの背中から香ってきそうなアレで間違いありません。
歯磨き粉でも入浴剤でもチューイングガムでもなく、紛うことなき「湿布薬」なのです。
ウィンターグリーンのミントタブレットを始めて口にした時の衝撃は忘れませんが、あっという間に、その一癖ある香味が文字通りクセになってしまったことも忘れられません。

ありきたりなミントの香りに飽きてしまわれたら、少しばかりウィンターグリーンに目を向けてみてはいかがですか?
見聞を広げるためには、はじめの一歩を踏み出す勇気が必要です。

お湯

白湯が飲めません。
伊織でございます。

お水は飲めても、お湯が飲めないのです。
においが気になってしまうのが1番の原因ですが、ただしこれがミネラルウォーターといったパッキングされた水であっても、飲めません。

人間誰でも苦手がございます。
苦手に限らず、他人からは理解の得がたい事情というものは少なからず存在いたします。
それもまた個性と認め合うことも大切なことですね。