そうめん

 

つい昨年までは、オリーブオイルと塩でそうめんを食べることが気に入りだったわたくしですが、食べ続けるとクドい、というさも当然な悩みによって私的な流行りは下火となってしまいました。

 

いかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

幼少のころ、夏といえばそうめん、という具合によく母が用意してくれたものです。

めんつゆで食べるのがスタンダードでしたが、カレーライスを夕食とした翌日、冷えたカレーをめんつゆに溶かし込んで食べるというのもまた、我が家の風物詩でございました。

 

しかし、ある時期から「もう一生分のそうめんは食べた」という気がしてならず、そうめんを避けるようになってしまったのです。

嫌いなわけではありませんが、自ら食べたいとは思わない、という具合です。

 

ちなみに同じように「一生分食べた」と自負しているのはバナナチップスです。今は目にするのもはばかられます。

 

それはさておき、そんなそうめんを避ける気持ちが一転、またそうめん好きに引き戻してくれたのは海外での出来事でした。

留学中に母より送られてきた段ボールの中に、そうめんが入っていたのです。

「もう一生分のそうめんは食べた」と感じていたわたくしですから、なかなか手が伸びませんが賞味期限は長いので心配はありません。

 

なんて悠長なことを考えている内に賞味期限は目前に迫ってきます。

贅沢のできない学生の身ですから、食べられる物を粗末にするわけにもまいりません。

わたくしは渋々そうめんを茹でることにいたしました。

 

賞味期限間近のそうめんは、おいしかったです。

なにせアメリカ留学中です。そうとう意識が高くない限りはご想像通りのアメリカンな食生活の毎日です。

語弊を恐れず申しますなら、糖×脂肪のカロリー乗という摩訶不思議な計算式がまかりとおる毎日、そんな中でであったそうめんとめんつゆの、まぁなんとさっぱりしていたことでしょうか。

わざわざ流しそうめんなんてする必要もございません。

脳内では、訪れたこともない峡谷の清流の画が描き出され、見たこともないカワセミの狩猟の様子が映し出されます。

Mac & Cheeseでは決して体験することのない食事体験でございます。

 

これ以来わたくしは、すっかりそうめん好きに返り咲いたというわけでございます。

お嬢様はそうめんは召し上がりますか?

なにかアレンジを加えて召し上がっていますでしょうか?

オリーブオイルをつけるときは、ぜひ少なめにしておいてくださいませ。

 

シドニーへ

梅雨なのか夏なのか、どうにもハッキリスッキリしない毎日でございましたね。

いかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

今月20日、21日と2日間にわたりシドニーで開催されます「SMASH!」というイベントにお邪魔してまいります。

昨年に引き続きお声がけいただけましたのは、本当にありがたいことでございます。

たくさんの方が来日される昨今、すでにお屋敷のことを知っていてくださるということにも感謝ですが、ますます多くの方に知っていただけますよう努めてまいります。

 

百合野、隈川とともに、しばらくティーサロンを空けることとなってしまい申し訳ございません。お嬢様のお顔が拝見できないことはわたくしどもも寂しゅうございますが、務めを全うし、無事に帰国してご報告ができることを楽しみにしております。

June

6月はローマ神話のJuno(ユノ)にちなんでJuneと英語で呼びますね。

ティーサロンではロイヤルアルバートのティーカップ、フラワーオブザマンスのジューンでもおなじみでございます。

かの有名雑誌「Junon」の名も同じくJunoのフランス語が由来ではないでしょうか。

語源をたどるのは意外な発見にいたって面白いものです。

 

いかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

先述のティーカップ・ジューンに描かれているのは、ちょうど6月が見頃を迎えるバラでございます。ピンクのバラが柔らかな印象で表現されております。

お屋敷の象徴でもあるバラは、ティーサロンの紋にも描かれているほか、様々なところで利用されているのはご存じの通りです。

ダイアナローズをはじめとしたブレンドティーはその代表ではないでしょうか。

ブレンドティーに使われるバラは、いわゆるバラの花びら「ローズペタル」だけではありません。バラの実である「ローズヒップ」もシェリーやオードリーといったハーブティーを中心に使われております。

 

さて、ただいま登場いたしましたオードリーというハーブティーには、もうひとつバラを冠した名前のハーブ「ローズマリー」もブレンドされています。

 

ローズヒップがバラの実であるなら、ローズマリーは何でしょうか?

ご覧の通り緑の葉っぱですから、バラの葉でしょうか?

 

ローズマリーの株や枝をご覧の経験をお持ちならお察しのことと思います。

ローズマリーとバラのローズにはまったく関係がございません。

なんともややこしい名前をつけてくれたものです。

どうやらローズマリーの語源はラテン語から来ているらしく、rōs marīnus(ロス マリヌス)=“海のしずく”の意味なのだそうです。青い花を咲かせることからその名がついたと言われているようです。

 

そろそろローズマリーの花の時期は過ぎてしまうかと思いますが、その清涼感ある香気はむしろこれからの季節にぴったりかもしれません。

まずはお屋敷のオードリーから触れてみるのはいかがですか?

勘違い

子供のころ、手遊び歌の「アルプス一万尺」の歌詞にて「小槍の上で」を「子ヤギの上で」と覚え間違い、随分とご機嫌な歌詞だなぁと思っていたものです。

正直に申しますと子供のころにというのは正確ではなく、子供のころから(比較的最近まで)勘違いしていたというほうが正しゅうございます。

 

お恥ずかしい限りですが、同じようなご経験はございませんか?

伊織でございます。

 

 

幼いころ、同じように勘違いして覚えていたことがいくつもございました。

天気予報でいう「台風一過」は「台風一家」だと思い、夏に台風がたくさんくることを家族に例えたのだなと納得してたり、報道番組で聞く「同一人物の犯行」はすべて「ドイツ人の犯行」だと思い込み、一方的にドイツの方を怖がっていた覚えがございます。

 

小学校にもあがらぬわたくしは「一過」も「同一人物」も、こんな難しい言葉は知る由もなかったわけです。

 

冒頭のアルプス一万尺と同じように、歌詞を勘違いしていた童謡がございます。

それが「やまのおんがくか」でございます。

お嬢様はご存じでしょうか?

 

この歌の歌い出し、

 

「わたしゃ おんがくか やまの こりす」

 

を、初めて聞いた時から勘違いしており、

 

「わたしゃ おんがくかや まのこりす」

 

だと思っていたのです。歌うときに切る場所を誤って覚えてしまったのが原因でした。

漢字にしてみましょう。

 

「わたしゃ 音楽家や 魔の子リス」

 

そう、幼いわたくしはこの音楽家は関西弁でしゃべる魔の子リスだと信じ込んでいたのです。随分と怖い歌詞だなぁと思っていたものです。

 

思い込みは、一度すり込まれるとなかなか払拭できないものでございます。

先入観をもつことなく、新しいことに向かっていこうと思います。

年の功より?

新年度が始まり、そろそろ落ち着き出した頃合いでしょうか。それとも新たな環境や学びに四苦八苦の最中でしょうか。

この四月がお嬢様にとって良いものであることを祈るばかりです。

 

伊織でございます。

 

亀の甲より年の功という言葉がございますが、年の功に対して引き合いに出されている亀の甲もなかなか優れたものであることは事実でございますね。

古くは亀卜(きぼく)に始まる甲骨文字に漢方薬、工芸品としてはべっ甲にも利用されております。

先日亀の甲は肋骨が変化したものだと知って驚きました。背中に背負っているように見えるものの、その実肋骨が裏返るようにして身を守っているとは想像だにいたしませんでした。

何をどうしたらそんな方向に骨を曲げる進化を遂げたものやら、もっと効率のよい方法はなかったものかと考えたくなるのが進化のおもしろい所なのかもしれませんね。

 

亀と同じように引き合いに出される似た生き物にスッポンがおります。

月とすっぽんという言葉がありますが、こちらはどうも亀の甲ほど良いものとして並べられているのではないようです。

 

体毛すら失い、自身で身を守るためのすべを失った人間としては、亀なりスッポンなりの甲羅やヤマアラシなどがもつトゲなど、何かしらを生み出して進化しなかったものなのかなと考えてしまいます。

身を守るために道具を利用するというのが人間の選択した道なのでしょうけれども、どうも物に頼りすぎなきらいもございます。亀の甲を道具の象徴とするならば、今や年の功より亀の甲という世の中と言えるかもしれません。

利便性を求めて必要なものが多くなるほど、どんどん不便に感じる物事が多くなるのが人間という生き物でしょうか。

やっぱり進化というのは、効率がよいようで、以外とそうでもないのかもしれませんね。

いろいろ

春の訪れを待ちつつ、今年もまた花粉という見えたり見えなかったりする悪魔の存在におびえる毎日を過ごしております。

 

伊織でございます。

 

毎日を面白おかしく過ごしたいものですね。

春の訪れを花粉の悲惨量ならぬ飛散量ではかるばかりでなく、もっと気分のよい春を満喫したいものです。

山菜なんてようございますね。

春の山菜、野菜のもつ苦みがまたグッと味覚を引き締めてくれる感覚が好きだったりします。

特にフキノトウが好みなのです。そしてどうやらフキノトウに含まれるフキノール酸が花粉症に効くとかなんとかお話を伺いました。

これは願ったり叶ったり、一石二鳥でございます。

 

お嬢様もお嫌いで無ければ、食で季節を感じつつ花粉症対策を試みてはいかがでしょうか。

53rd

もっとも寒さの厳しくなるこの時期、お嬢様はいかがお過ごしでしょうか。

伊織でございます。

 

 

4年ごとに巡ってくる閏年、ご恩時の通り2月の末日に1日、2月29日が加わります。

わたくしを含め、世界中のほんの一握りの人間にとってこの2月29日はちょっと特別な気持ちで迎える日なのでございます。

 

2月29日、そう、この日こそがジョーカーの日なのです。ジョーカーの日おめでとう!

 

わたくしがもっとも影響を受けた小説「カードミステリー」に端を発するジョーカーの日、ささやかながらわたくしもお祝いしつつ過ごそうと思います。

絶版になって久しい作品ではありますが、図書館でしたら出会える機会もございましょう。もし気が向かれたら手に取ってみてくださいませ。

 

ジョーカーの日おめでとう!