シバのババロア

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

・・・フルーツ。

突然ですが、なんとも魅惑的な響きを持った言葉ではございませんか。
その爽やかな甘みは、かつて水菓子と称されたこともあります。
刺激的な酸味。
紅や黄の彩りの美しさ。
フルーツがあるとないのでは、食卓の雰囲気そのものすら、大きく変わってしまうことでしょう。

さて、司馬が最も愛するフルーツは“苺”でございます。
ほどよい甘さと酸味。
優しい食感。
愛らしい赤にちりばめられた、つぶつぶのアクセント。
手でつまんで、そのまま口に運ぶのも良し。
ミルクやお酒との相性も抜群。
スイーツの食材に使えば、その魅力はますます輝く、まさにフルーツの女王でございます。

というわけで。

司馬がこよなく愛する苺を用いたババロアを、4月後半のスイーツとしてご提案させていただきました。
ババロア本体にはもちろんのこと、苺の果肉も忍ばせ、底に敷いたスポンジにも苺の果汁を含ませた、ぜいたくに苺を味わえる一品でございます。

自信を持ってお勧めいたします。
よろしければ、お試しくださいませ。

あ、その時は、お気軽に“シバのババロア”とお申しつけください。

そろそろコートの仕舞時

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

日々、陽光に暖かさを感じられるようになってまいりました。
冬の終わりでございますね。
桜はもう少し先のようでございますが、梅の花は紅白の彩りを庭園に添えております。
麗しく清楚な風情は、スワロウテイルにとって特別なこの月を、春の気配が祝福してくれているようでございます。

というわけで、いよいよ今月は開館15周年の記念日がやってまいります。
これほどの長きに渡って、お嬢様方へのお世話が叶い、使用人一同、とても喜んでおります。
これからも心からお寛ぎいただけますよう、各々、持てる技を駆使して、ますます奮励いたす所存にございます。
どうぞ、ご期待くださいませ。

さて、春風が吹いてくれば、分厚い冬のコートも出番を終える頃でございます。
今か今かと出番を待っているお召し物に、そろそろ主役を譲りましょう。
今月後半のアニバーサリー期間には、どうぞ軽やかな春のドレスでご帰宅くださいませ。
お嬢様方が晴れやかな装いで、賑々しくお食事をお召し上がりになる様子を、今から司馬も楽しみにしております。

とは申しても、寒さは不意に舞い戻ってしまうものでございます。
お嬢様方がご不自由を感じられてはいけません。
いつでも、冬物が取り出せるよう、怠りなく用心しないといけませんね。
これもまた、使用人の心得でございます。

では、またサロンにてお会い致しましょう。

2月はチョコレート

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

2月恒例、といえばバレンタインデー。

司馬が一番好きな甘い物も、実はチョコレートでございます。
甘さとほろ苦さ、かすかな酸味。
熱々に溶かして、ケーキやアイスに合わせても良し。
ウィスキーやブランデーのおつまみにもなる、正に万能のお菓子。
仕事終わりに、軽くつまむにも最適でございます。

今年はどんなチョコをお贈りになりますか?
お嬢様からのチョコレートをお待ちになっている社交界名士の方々は、世界中にいらっしゃいます。
リストの作成も一仕事でございますね。

・・・えっ?
せっかくパティシエの用意した最上のチョコを、他人にあげるなんてもったいない。
お嬢様が、ご自分でお召し上がりになられると?

はい。
それも、また正しいバレンタインの過ごし方でございます。

本来、バレンタインデーとは、恋人同士や家族など、大切な方にプレゼントを贈る風習でございます。
ご自身へのご褒美というのも、たいへん結構なことではないかと存じます。

伝え聞いたところによると、チョコレートには心を落ち着かせ、楽しい気分にさせる効能があるということでございますが、良薬も過ぎては毒でございます。
あまりに美味だからと、度を越えて召し上がりすぎませぬよう、くれぐれもご注意を。

では、どうぞ楽しいバレンタインデーをお迎えくださいませ。

笑顔の新年

司馬でございます。

皆様、笑顔で新年をお迎えでございますか?

先月も申し上げましたが、当たり前の日常というものの価値に、去年はあらためて気づかされました。
正直に申せば、時には、わずかに気持ちが沈むこともございました。
そんな、うっすらと黒い霧に覆われたような心を救ってくれたのは、お嬢様方と使用人仲間の素晴らしい笑顔でございます。

ただただ、感謝の一言を心から申し上げます。

不慣れながら、司馬もフォトブックやブロマイドでぎこちない笑顔をご披露いたしましたが、わずかながらでもお慰みになりましたでしょうか?

すこしでも、お嬢様方のお心を楽しませ、お気持ちが軽くなられたのならば、とてもうれしゅうございます。

お嬢様方の華やかな表情には、とうてい及びませんが、これからも笑顔だけは絶やさぬよう、今年も司馬は努めていく所存でございます。
スワロウテイルでの御滞在が、お嬢様方にとって貴重な日常となり、いつまでも笑顔と笑顔がつながっていきますように・・・。

では、お早いご帰宅をお待ちいたしております。

年の瀬

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

とうとう師走を迎えました。
今年は、ずいぶんと早く1年が過ぎてしまったように感じられます。

まあ、過ぎ行く歳月があっという間に感じられるのは、毎年の恒例のようなものでございますが・・・。
それでも、あの長い休館期間があったためか、この想いはより一層強く感じられるようでございます。

使用人一同が、お嬢様方と過ごせるということが、当たり前なようでいて、実は本当に幸いだったのだなと、つくづく痛感させられた1年でございました。

お嬢様方、今年はいかがでございましたか?

決して明るいとは申せません1年でございましたが、12月といえば文字通り、いつもは冷静沈着な師も走り出してしまう忙しさ。
クリスマスのご用意もさることながら、新年のご準備なども目白押しでございます。

この際でございます。
いっそのこと、ドタバタと過ぎていく日々の勢いにまかせ、思い切って、今年の暗さをどこか遠くに吹き飛ばしてしまいましょう。

ご存知の通り、司馬はあきれ返るほどの楽観主義者でございます。
きっと明るい年がやってくると、心の底から信じております。
能天気に感じられるかもしれない想いではございますが、眉などひそめず、ぜひともお気楽な奴と、ご一笑ください。
お嬢様方が笑顔になれるのでしたら、これにすぎる喜びはございません。

では、お嬢様方。
どうぞ、お元気に年の瀬を乗り切り、輝くような笑顔で新年をお迎えくださいませ。

スープはいかが?

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

庭園の木々も、少しづつ紅くなってきております。
厚めの上着をお召しになられることも増えて参りましたね。
秋の盛りはあっという間に過ぎて、予告もなしに冬が始まるようでございます。

お目覚めになられて、すぐに御身支度をなさるお嬢様方。
気合を入れて、丹念なドレスアップも大変よろしゅうございますが、どうぞ朝食はお忘れなくお召し上がりくださいませ。

ご存知の通り、当家のシェフは有能でございます。
和洋中お好みのまま、お嬢様のお口に合うお品をご用意いたします。

これからの季節、冷えた屋外へお出かけになる前に、温かなスープはとてもお勧めでございます。

クラムチャウダー、ミネストローネ、トムヤムクン、澄み切ったコンソメ、中華風卵スープ、具だくさんのお味噌汁、丁寧に出汁をとった澄まし汁。
思いつくままに挙げていくだけでも、きりがありません。本当に世界には様々なスープがございます。
いずれも、一口お召し上がりになるだけで体の芯から温まり、大いに活力となってくれることでございましょう。

ちなみに、司馬のお好みスープは、とろとろに炒めた玉葱をふんだんに使ったオニオングラタンスープ。
熱々をふうふうしながら、のんびりと一食を楽しめれば、冷涼な朝といえども、至福の一時に変わります。

・・・では、お嬢様。
明朝は、どのようなスープをお召し上がりになりますか?
ご遠慮なく、なんなりとお申しつけくださいませ。

[燕シネマ]~10月のラインナップ~

いよいよ秋も深まってまいりました。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

当家のハウスシアターにおいて上映される、週替わりの三本立て。
古き良き映画館に敬意と憧れを捧げた、夢想の名画座~[燕シネマ]~
お嬢様方のご要望にお応えして、再び開館の運びとなりました。

当劇場の運営、ならびにプログラム選定の任を務めます、支配人の司馬でございます。

今月のテーマは、様々な秋、そしてハロウィン。
途中退出もお好みのまま、上映中、優雅に酒杯など傾けられるのもご自由に。
どうぞお時間の許す限り、銀幕の幻影をお楽しみくださいませ。

では、まもなく開幕でございます。

第一週・特集:食欲の秋―ご鑑賞後、いつのまにか空腹に―

「タンポポ」
監督:伊丹十三 出演:山崎努、宮本信子

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
監督、脚本:ジョン・ファヴロー 出演:ジョン・ファヴロー、エムジェイ・アンソニー

「料理長殿、ご用心」
監督:テッド・コッチェフ
出演:ジャクリーン・ビセット、ロバート・モーレイ

第二週・特集:スポーツの秋―誇り高き競技者たち―

「炎のランナー」
監督:ヒュー・ハドソン
出演:ベン・クロス、イアン・チャールソン

「グラン・ブルー」
監督:リュック・ベッソン
出演:ジャン=マルク・バール、ジャン・レノ

「勝利への脱出」
監督:ジョン・ヒューストン
出演:シルヴェスター・スタローン、マイケル・ケイン

第三週・特集:芸術の秋―表現の苦悩、そして歓喜―

「アマデウス」
監督:ミロス・フォアマン
出演:F・マーリー・エイブラハム、トム・ハルス

「耳をすませば」
監督:近藤喜文
出演:本名陽子、高橋一生、小林桂樹

「恋に落ちたシェイクスピア」
監督:ジョン・マッデン
出演:ジョセフ・ファインズ、グウィネス・パルトロー

第四週・特集:ハロウィン―怪しきお祭りの賑わい―

「E.T.」
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ヘンリー・トーマス、ドリュー・バリモア

「エド・ウッド」
監督:‎ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、マーティン・ランドー

「アダムス・ファミリー」(1991)
監督:バリー・ソネンフェルド
出演:アンジェリカ・ヒューストン、 ラウル・ジュリア、 クリスティーナ・リッチ

さて、今月の興行は、いかがでございましたか?

深く、静かな秋の夜長。
読書や映画鑑賞に耽るのも、また一興でございましょう。
では、次の開館をどうぞご期待くださいませ。

・・・今宵も、良い映画を。