梅雨には、この一本を。

司馬でございます。皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

六月に入り、季節は梅雨を迎えております。うんざりするような曇り空と、長雨が続いております。お気持ちは沈んでいらっしゃいませんか。

ほんの気晴らしにでもなれればよろしいのですが、この時節におすすめの映画のお話でも致しましょう。

「雨に唄えば」
1952年制作のミュージカル映画でございます。おそらく、ミュージカル映画の中でも10本の指に入る作品でございますね。

主演のジーン・ケリー、わきを固めるドナルド・オコナーの超人的なダンスも見どころの一つです。アスリートのような体格を、縦横無尽に駆使し、その躍動ぶりは、観客の心を極限まで高揚させます。お話は古典的(ありふれた)なラブロマンスかもしれませんが、王道的な良さに満ちております。往年のハリウッド風俗を知るにも、うってつけでございますよ。

そして、“You Were Meant to Me”や“Make’Em Laugh”、“Good Morning”など、絢爛豪華なナンバーに目が釘づけになったところで、満を持して登場するのは名曲、“Singing In The Rain”。土砂降りの中で歌い踊る、ジーン・ケリーの笑顔は、ほとばしるような生の喜びをいっぱいに表現しています。

現代の目で見ますと、古めかしく感じられるかもしれませんが、ハリウッドの豊かな時代を象徴する映画として、後世に残し続けるべき傑作でございましょう。

I’m singing in the rain.Just singing in the rain.What a glorious feelin’I’m happy again.

憂鬱な雨が続きますが、傘の中、お嬢様方が笑顔でこの一節を口ずさんでいることを、司馬は心より願っております。

若葉の季節

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

五月となりましたね。
まだまだ、朝晩の肌寒さも残りますが、汗ばむような初夏の日差しも感じられます。
爽やかで、過ごしやすい季節となりました。

遠出などなさるのには、絶好のシーズン到来でございますね。
司馬も喜んでお供したいところでございますが、時節柄、お出かけもままならず、お嬢様方におかれましても、さぞやご無念のことと、心中、お察し申し上げます。

しかしながら、庭園の木々は新緑を盛んに芽吹き、その鮮烈な色彩は、誠に目に染み入るようでございます。
遠出はできませんが、一人掛けの小さなテーブルを持ち出して、ささやかながらも心を込めた野外のお茶会などはいかがでしょう。

もちろん、ご用の際にはすぐにおうかがいできるよう、使用人はいつでもお近くに控えております。
新緑を吹き抜けるそよ風を感じつつ、やわらかな木漏れ日を感じるのも、また一興ではございませんか。

・・・そろそろ、ミントの香りを効かせたアイスティーが恋しくございませんか?

それでは、早速ご用意いたしましょう。

シバのババロア

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

・・・フルーツ。

突然ですが、なんとも魅惑的な響きを持った言葉ではございませんか。
その爽やかな甘みは、かつて水菓子と称されたこともあります。
刺激的な酸味。
紅や黄の彩りの美しさ。
フルーツがあるとないのでは、食卓の雰囲気そのものすら、大きく変わってしまうことでしょう。

さて、司馬が最も愛するフルーツは“苺”でございます。
ほどよい甘さと酸味。
優しい食感。
愛らしい赤にちりばめられた、つぶつぶのアクセント。
手でつまんで、そのまま口に運ぶのも良し。
ミルクやお酒との相性も抜群。
スイーツの食材に使えば、その魅力はますます輝く、まさにフルーツの女王でございます。

というわけで。

司馬がこよなく愛する苺を用いたババロアを、4月後半のスイーツとしてご提案させていただきました。
ババロア本体にはもちろんのこと、苺の果肉も忍ばせ、底に敷いたスポンジにも苺の果汁を含ませた、ぜいたくに苺を味わえる一品でございます。

自信を持ってお勧めいたします。
よろしければ、お試しくださいませ。

あ、その時は、お気軽に“シバのババロア”とお申しつけください。

そろそろコートの仕舞時

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

日々、陽光に暖かさを感じられるようになってまいりました。
冬の終わりでございますね。
桜はもう少し先のようでございますが、梅の花は紅白の彩りを庭園に添えております。
麗しく清楚な風情は、スワロウテイルにとって特別なこの月を、春の気配が祝福してくれているようでございます。

というわけで、いよいよ今月は開館15周年の記念日がやってまいります。
これほどの長きに渡って、お嬢様方へのお世話が叶い、使用人一同、とても喜んでおります。
これからも心からお寛ぎいただけますよう、各々、持てる技を駆使して、ますます奮励いたす所存にございます。
どうぞ、ご期待くださいませ。

さて、春風が吹いてくれば、分厚い冬のコートも出番を終える頃でございます。
今か今かと出番を待っているお召し物に、そろそろ主役を譲りましょう。
今月後半のアニバーサリー期間には、どうぞ軽やかな春のドレスでご帰宅くださいませ。
お嬢様方が晴れやかな装いで、賑々しくお食事をお召し上がりになる様子を、今から司馬も楽しみにしております。

とは申しても、寒さは不意に舞い戻ってしまうものでございます。
お嬢様方がご不自由を感じられてはいけません。
いつでも、冬物が取り出せるよう、怠りなく用心しないといけませんね。
これもまた、使用人の心得でございます。

では、またサロンにてお会い致しましょう。

2月はチョコレート

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

2月恒例、といえばバレンタインデー。

司馬が一番好きな甘い物も、実はチョコレートでございます。
甘さとほろ苦さ、かすかな酸味。
熱々に溶かして、ケーキやアイスに合わせても良し。
ウィスキーやブランデーのおつまみにもなる、正に万能のお菓子。
仕事終わりに、軽くつまむにも最適でございます。

今年はどんなチョコをお贈りになりますか?
お嬢様からのチョコレートをお待ちになっている社交界名士の方々は、世界中にいらっしゃいます。
リストの作成も一仕事でございますね。

・・・えっ?
せっかくパティシエの用意した最上のチョコを、他人にあげるなんてもったいない。
お嬢様が、ご自分でお召し上がりになられると?

はい。
それも、また正しいバレンタインの過ごし方でございます。

本来、バレンタインデーとは、恋人同士や家族など、大切な方にプレゼントを贈る風習でございます。
ご自身へのご褒美というのも、たいへん結構なことではないかと存じます。

伝え聞いたところによると、チョコレートには心を落ち着かせ、楽しい気分にさせる効能があるということでございますが、良薬も過ぎては毒でございます。
あまりに美味だからと、度を越えて召し上がりすぎませぬよう、くれぐれもご注意を。

では、どうぞ楽しいバレンタインデーをお迎えくださいませ。

笑顔の新年

司馬でございます。

皆様、笑顔で新年をお迎えでございますか?

先月も申し上げましたが、当たり前の日常というものの価値に、去年はあらためて気づかされました。
正直に申せば、時には、わずかに気持ちが沈むこともございました。
そんな、うっすらと黒い霧に覆われたような心を救ってくれたのは、お嬢様方と使用人仲間の素晴らしい笑顔でございます。

ただただ、感謝の一言を心から申し上げます。

不慣れながら、司馬もフォトブックやブロマイドでぎこちない笑顔をご披露いたしましたが、わずかながらでもお慰みになりましたでしょうか?

すこしでも、お嬢様方のお心を楽しませ、お気持ちが軽くなられたのならば、とてもうれしゅうございます。

お嬢様方の華やかな表情には、とうてい及びませんが、これからも笑顔だけは絶やさぬよう、今年も司馬は努めていく所存でございます。
スワロウテイルでの御滞在が、お嬢様方にとって貴重な日常となり、いつまでも笑顔と笑顔がつながっていきますように・・・。

では、お早いご帰宅をお待ちいたしております。

年の瀬

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

とうとう師走を迎えました。
今年は、ずいぶんと早く1年が過ぎてしまったように感じられます。

まあ、過ぎ行く歳月があっという間に感じられるのは、毎年の恒例のようなものでございますが・・・。
それでも、あの長い休館期間があったためか、この想いはより一層強く感じられるようでございます。

使用人一同が、お嬢様方と過ごせるということが、当たり前なようでいて、実は本当に幸いだったのだなと、つくづく痛感させられた1年でございました。

お嬢様方、今年はいかがでございましたか?

決して明るいとは申せません1年でございましたが、12月といえば文字通り、いつもは冷静沈着な師も走り出してしまう忙しさ。
クリスマスのご用意もさることながら、新年のご準備なども目白押しでございます。

この際でございます。
いっそのこと、ドタバタと過ぎていく日々の勢いにまかせ、思い切って、今年の暗さをどこか遠くに吹き飛ばしてしまいましょう。

ご存知の通り、司馬はあきれ返るほどの楽観主義者でございます。
きっと明るい年がやってくると、心の底から信じております。
能天気に感じられるかもしれない想いではございますが、眉などひそめず、ぜひともお気楽な奴と、ご一笑ください。
お嬢様方が笑顔になれるのでしたら、これにすぎる喜びはございません。

では、お嬢様方。
どうぞ、お元気に年の瀬を乗り切り、輝くような笑顔で新年をお迎えくださいませ。