紅葉

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

ついこの前まで、日中汗ばむ陽気もございましたが、朝夕、少しずつ冷え込んでまいりました。暦の上では、とうに冬でございますが、いまだ晩秋の雰囲気も色濃く残っております。
ここ数年は、季節は夏からいきなり冬を迎えてしまっているようで、秋も短く、やや趣にかけるようでございます。
これも温暖化の影響でございましょうか?

しかしながら、その分、紅葉を愛でる期間も長くなっております。
当家庭園の楓も、すでに紅葉に染まりだしました。
遠方に出かけなくとも紅葉狩りが楽しめるのは、うれしいことでございます。

赤く染まった楓の葉は、カナダの国旗にもあしらわれておりますね。
サトウカエデの樹液で作られたメープルシロップは、彼の地の名物でございます。

さて、差し出がましゅうございますが、このたび、司馬考案のフットマンアイスをご提供させていただく運びとなりました。
パティシエの協力のもと、メープルシロップのやさしい甘さをほんのりと生かした、上品な味わいのアイスでございます。
12月前半のお品書きにご案内がございますので、お試しいただければ幸いでございます。

あざやかな紅に染まった楓の葉に想いを馳せつつ、過ぎ去っていく秋をお楽しみいただく一助となれば、司馬もうれしゅうございます。
よろしければ、ご感想などもお聞かせくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

秋の夜長

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

秋もだんだんと深まり、夜が長く感じられるようになりました。
肌寒さもひとしおでございます。どうぞお体をお冷やしになりませぬよう、ご自愛くださいませ。

秋の夜、皆様方はいかがお過ごしでございますか?
温かな飲み物も恋しくなりますね。
職務を終えた後、ホットチョコレートを片手に読書というのが、私にとりまして至福の時間でございます。

かつて読んだミステリーに登場する名探偵氏も、ホットチョコレートをご愛飲なさっておいででございました。
いま思い返せば、その探偵氏はベルギー出身ということでございまして、ですからチョコレートが好物という設定に作者はなさったのですね。

さて、お休み前に温かなお飲み物をお召し上がりになるのは、良き睡眠に結びつくというものでございます。
さすがに紅茶やコーヒーは、お休みの妨げになりますので、時任に温かなカクテルを作るよう申し上げておきましょう。
・・・お目が冴えてしまわぬよう、アルコールは控えめで。

お嬢さま方がお過ごしになる秋の夜長が、どうぞ満ち足りたものでありますように。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

モンスター!モンスター!

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

いよいよハロウィン・シーズン到来でございます。
“恐怖”をお祭り気分で盛り上げるこの行事、すっかり世間に定着いたしましたね。
ホラーメイクをした人々もちらほら見かけるようになり、目を楽しませていただいております。

ホラー映画は大好きでございまして、われながら子供じみているとは存じますが、奇怪なるモンスター達の活躍には、いつも驚かされたり、肝を冷やされております。

思えば、映画界が始まって以来、実に多くのモンスター達がホラー・アイコンとして登場してまいりました。
吸血鬼、フランケンシュタインの怪物、人狼、シリアルキラー、宇宙生物、生ける屍・・・・・・。
数え上げればきりがございません。
また、おそらく皆様が思われている以上に、描写されているモンスター達の生態が、伝承などの由来よりも、映画オリジナルの設定だったりすることに驚かされることもございます。
たとえば、人狼の弱点が、銀の銃弾であるという決まりごとなど。

これらの作品は決して、高尚とは申せませんし、芸術的などと評価を受けることもまれでございます。
しかしながら、強烈な印象を残し、現実では絶対にありえない場面を体験させてくれるという長所がございます。
鑑賞する人々には、リアルに存在する恐怖に、ある種の耐性をもたらす効果すらございます。
巧みに作られたホラーは、一級の娯楽として永遠に歴史に残り、愛され続けることでございましょう。
映画史を振り返れば、証明の必要もございません。

ちなみに、私の好きなモンスターは吸血鬼―ヴァンパイア―でございます。
ブラム・ストーカーの作品をもとにした作品はもちろん、現代を舞台にしたモダン・ホラーにも惹かれてしまいます。
英国貴族的な優雅さ、そして威厳を兼ね備えている名優が吸血鬼を演じているならば、もはや言うこともございません。
こういう嗜好は、昨今の風潮からすれば、少々古めかしいかもしれませんね。

さて、今年もお屋敷にモンスターが現れる日がやって参ります。
当家に出没するお化け達は、姿こそ恐ろしゅうございますが、決して危害は加えず、陽気な性質の者たちばかりでございます。
どうぞ、恐怖と笑いが混じりあうこの奇妙な期間を、こころゆくまでお楽しみくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

秋の入り口

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

九月になりまして、ツクツクボウシの声が聞こえるようになりました。
わずかながら涼しい風も吹きまして、朝夕に秋の気配を感じることも多くなりました。

さて、

―天高く、馬肥ゆ。

という言葉がございます。
実り多い秋を表す意味として使われますが、語源を探ると、この言葉には不穏な歴史がございます。
実はこの言葉、『漢書』にございまして、秋になれば、準備を整えた騎馬を駆って、異民族が襲来してくるから、防戦の支度をしなければならない、という意をもっております。
いささか物騒でございますね。

幸いにも、いまは平和な時代でございます。
当家の駿馬たちも戦に出るようなことはございません。
お嬢さま方におかれましては、秋の陽光の元、のんびりとご乗馬をお楽しみいただければ幸いでございます。

食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋・・・。
いろいろな楽しみも増えてまいります。
どうぞ大いにご堪能くださいませ。

ただ、秋の初めは、夏の疲れがたいへん出やすい時季でもございます。
決してご無理はなさらず、お嬢さま方のマイペースをお守りくださいますよう。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

海水浴の前に。

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

夏本番でございます。
高原の別荘で避暑というのもよろしゅうございますが、やはり、夏といえば海での水遊びが定番でございましょう。
お楽しみの前には、どうか準備体操など念入りになさってくださいませ。

そういえば、海がメインの舞台となる映画も色々とございますね。
“海の上のピアニスト”、“ウォーターワールド”、“グラン・ブルー”、“タイタニック”などなど・・・。
なかでも、“ジョーズ”は傑作の誉れも高い作品でございます。

もはや説明の必要もない巨匠、スティーブン・スピルバーグ監督の出世作であり、映画史に残る一本といえるでしょう。
この作品がもたらした衝撃のため、本来、“顎”を意味するジョーズという言葉が、いまではアメリカでも、普通にサメを意味するようになってしまいました。

あまりに有名な映画でございますので、未見の方も少ないのではないかと存じますが、海水浴の前には、ぜひとも当家のシアター・ルームでご鑑賞くださいませ。

―あぁ…
あんな映画を見てしまったら、もう怖くて海になんて入れないと仰せでございますか?

ご安心くださいませ。
本来、人を襲うサメはほとんどおりません。
まして、当家のプライベートビーチは、使用人達の監視体制も万全でございます。
どうか心安らかに海水浴をお楽しみくださいませ。

―どうしても、ご安心いただけないと?
でしたら、やはり、この作品がもたらす恐怖感は一級という証だと申せましょう。
その背筋が凍るような感覚をもって、お嬢さま方が暑さをわずかでもお忘れになれれば、これはこれで私の狙いは成功でございます。

というわけで、まだまだ夏は長く続いてまいります。
どうぞ上手に暑さを避けてくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

夏支度

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

いよいよ真夏の到来でございます。
今年は、梅雨がずいぶんと短く、季節が急に変わったように感じられました。
いきなりの暑さに、体はお慣れになりましたか?
毎度のことながら、強烈な日差しも予想されます。
どうぞご自愛くださいませ。

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雨の日のお供。

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

梅雨に入りますと、ジメジメとしたお天気が続きます。
ついつい気も滅入ってしまい、体調も崩しがちでございますが、どうぞご自愛くださいませ。

さて、私は少しばかり心配性な癖がございまして、外出の時は少しの薄曇りでも長い傘を持参してしまいます。
やや自慢めいた話でございますが、いままでその傘を外出先に忘れたことがございません。
ただ、急な降りに出くわすことは、どうしてもございまして、その際はつい新しい傘を購入してしまいます。
結果、手持ちの傘が年を経るごとに増えてしまうことになります。
これはいささか閉口しておりました。

そこで、不意に思い立ちまして、先日、折りたたみ傘を入手することにいたしました。
実は、折りたたみ式の傘というものを、いままで私は好んでおりませんでした。
小さすぎて肩が濡れてしまい、また骨の数も少ないため壊れやすいのでは、と勝手に思っていたのです。
しかし、本腰を入れて調べてみると、折りたたみ傘でも骨が10本入っていて、大きさや耐久性も充分な物がたくさんあることがわかりました。

・・・というわけで、私の鞄にはいま新しい傘が収められております。
まだ実際に使用してはおりませんが、それがあるだけで心強い思いを感じております。
まあ、長い傘を持ち歩く癖に変わりはございませんので、この雨の日の小さなお供の出番はなかなかやってこないでしょうが、使う日の来る時が楽しみでございます。

お嬢さま方はお気に入りの傘をお持ちでございますか?
雨の日はもちろんのこと、日差しもますます強くなってきますので、どうぞ備えをお忘れなきよう。
願わくば、お気に入りの傘をお持ちになりまして、憂鬱なお天気の日も楽しくお過ごしくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。