夏の訪れ

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
七月を迎えました。いよいよ本格的な夏が帰ってまいります。

つい筆が滑りましたが、夏は“帰ってきた”、反面、冬は“やってきた”という感覚が当てはまるような気がいたします。私見でございますが・・・。夏が“去りゆく”という、惜しみゆく思いを込めた言葉はございますが、冬が“去りゆく”という表現はあまり口にいたしません。冬がやっと“終わる”という言葉なら、違和感がないような気がいたします。夏の訪れには、なにかわくわくとするような期待感がございます。
それゆえ、“帰ってきた”という待望の想いが溢れ出てしまうのでしょうか?

待ちに待った夏休みもやってまいります。お嬢様方が毎日、楽しく過ごせればこれに勝る喜びはございません。本日は、なにをいたしましょうか?
海水浴、プール、野外イベント、肝試し、バカンス。こんな言葉を並べるだけで、もう居ても立っても居られない気持ちが表情に表れてしまいます。お嬢様方のお望みにいつでも応えられるよう、使用人たちの準備にも怠りがあってはなりません。では、まずビーチパラソルを倉庫から出してまいりましょうか。

以上、夏の到来を間近に感じて、いつもよりも気持が高揚している司馬でございました。暑さが苦手で、秋の到来をお待ちのお嬢様には申し訳ございません。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

雨もまた楽し

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
庭園の紫陽花も色づきはじめました。
梅雨の季節でございますね。

少々、ジメジメとして愉快とは言いがたい陽気が続くかと存じますが、せめて涼しげなお召し物に袖を通されて、この時節を乗りきって下さいませ。
ただ、朝夕の寒暖の差はまだまだ激しいようでございます。
どうかご用心をお忘れなきよう。

“雨”をテーマにした映画で司馬が思い出すのは、古典ではございますが、「雨に唄えば」でございます。
このミュージカル映画の至宝については、もはや私ごときが良し悪しなど語るのも畏れ多いほどでございます。
殊に、主演のジーン・ケリーが雨の中、激しく水飛沫をあげながら、歓喜のダンスを踊るナンバーなどは、月並みな表現でございますが、映画史に永遠に残る名シーンでございましょう。
まさに文句のつけようのない傑作であり、いつ鑑賞いたしましても心と体に元気が巡って参ります。

お嬢様方におかれましても、雨の日々はさぞ退屈をもてあまされることかと存じますが、お屋敷には屋内運動場もございますし、馬場はスイッチ一つで屋根もせりだして参ります。
どうぞ、雨の日々も楽しくお過ごし下さいませ。
もちろん、シアタールームでのご鑑賞もよろしゅうございます。
ご覧になる作品にお迷いになられたら、どうぞ司馬に一言お声がけ下さいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

イタリア!イタリア!

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

新緑が鮮やかな季節になりまして、汗ばむような陽気も珍しくなくなって参りました。
軽やかな足取りで、お出かけなどもよろしゅうございますね。

さて、今月の当家では、イタリアをテーマにした催しがございます。
残念ながら、いまだ足を踏み入れておりませんが、司馬にとりまして、彼の国は長年のあこがれの地でございます。

古代ローマ帝国から綿々と歴史を紡いできた、重厚かつ壮大なる文化遺産。
それを背景にしながらも、ファッションや建築、あるいは料理といったライフスタイルには、どこかユーモラスで自由を楽しむゆとりを感じさせるものがございます。

たとえば、パスタのネーミング一つにも、そんな遊び心は満ちております。
ペンネ、ファルファッレ、フジッリ、コンキリエ。
ご存じでございますか?
これらには、ペン先、蝶ネクタイ、糸巻き、貝殻という意味がございます。
それぞれが独特の形状をもったショートパスタでございまして、いかにもイタリア人らしい、食いしん坊で、お洒落な趣が伝わってまいります。
もちろん、それらに絡めるソースも無数のバリエーションがございますね。

お屋敷での日々にも、このような遊び心を忘れずにいられれば、お嬢様方のお心をさらに晴れやかにできるのではないかと、豊かなイタリア気質に敬意と憧れを抱いてしまうのです。

心地よい五月の日々でございます。
ティーサロンにおいても、シェフの心づくしのパスタをご用意いたしておりますので、ワイン片手にお食事をお楽しみくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

時代の始まり

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

桜咲く四月となりました。
新年度の始まり。
新しい環境や出会い。
改元もいよいよ間近となりまして、新しい時代の幕開けも迫って参りました。
なにか大いなる変化が起こりそうな予感が致しまして、胸の高まりすら覚えております。

私は本来、ごくごく保守的な性分でございまして、一度決めた習慣や嗜好を変えることは好みません。
しかしながら、使用人の職務というものは、お嬢様のお望みのまま、融通自在に気働きをすることが求められるものでございまして、個人の性分などは二の次でございます。

一本の筋は通しつつも、しなやかに順応できる軽やかさを忘れずにいられればと、常々、思っておりますが、さて、お嬢様方の目にはどのように映っておりますでしょうか?

時節柄、なにかと新しい変化も多くございまして、お嬢様方におかれましても、翻弄されることがおありかと存じますが、どうぞ新たな時代の到来をお楽しみになる余裕をお持ちくださいませ。

もちろん、お疲れになられた時は、ティーサロンにて、いつでもご休憩の一時を・・・。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

女王再臨

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

そろそろ厚い外套は役目を終え、春の喜びをお嬢さま方と分かち合える時季がやってまいりました。
とはいえ、季節の変わり目は、なにかと体調を崩しやすくなりがちでございます。
どうぞ、規則的な毎日をお過ごしになり、浮き立つお気持ちに流されませぬよう、お気をつけくださいませ。

さて、いささか遅すぎた話題かと存じますが、昨月末にアカデミー賞の発表がございましたね。
私がうれしく思いましたのは、主演男優賞の栄冠に輝いたのがラミ・マレック氏であったことでした。

「ボヘミアン・ラプソディ」。
この、おそらく平成最後の大ヒット作の素晴らしさ、その功績をもたらしたのは、氏が熱演されたフレディ・マーキュリーの存在感によるものといっても過言ではないかと存じます。

もちろん、クィーンという伝説的なバンドの楽曲が、この映画にもたらした効果はいまさら申し上げるまでもございません。
思えば、昨年末に映画を鑑賞して以来、ほぼ毎日クィーンのアルバムばかり聞いておりました。

音楽に関しては門外漢の私に、クィーンという途方もないグループの音楽史的な位置づけや、楽曲の分析など、とうてい手に負えるものではございません。
しかしながら、幾度くりかえそうとも、やはり心が奪われてしまい、些細な日常のことなど、魅力的な旋律の彼方へと押し流されてしまいます。
さすが、と脱帽せざるを得ません。
おそらく、いくら長い年月を経ても、新たな刺激をもたらす古典として、クィーンの楽曲は聞き続けられることでございましょう。

さて、今宵は女王の地である英国に敬意を表し、スコッチ・ウィスキーを片手にライブ映像を鑑賞することにいたしましょうか。

・・・お嬢さま方におかれましても、良き音楽と共にあらんことを。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

冬の毎日

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
たいへんにお寒い毎日が続いておりますので、どうぞ暖かくしてお過ごしくださいませ。

さて、いくらか情けないお話ではございますが、司馬は寒さが苦手でございます。
使用人としてのお務めは、屋内だけには当然とどまらずに、庭園の見回りや、時には遠出をして、お嬢さま方がウインタースポーツをお楽しみになる別荘の管理が行き届いているか、この目で確かめねばならないこともございます。
陽光が差し込まないくらい冬の日であろうとも、使用人の手が足らなければ、雪かきや、庭園の枝払いなども率先して行わなければなりません。

生来の寒がりで、冬は暖炉の前を動かずに怠惰な顔を見せてしまうことも多い司馬でございますので、おもわずため息をつくこともございます。

とはいえ、当家に使える者達は、ご承知のとおり陽気で活発な心根をもっております。
寒い時こそ、微笑みや軽妙さを忘れず、嬉々としてお務めをこなしてまいります。
そんな皆とおりますと、司馬も自然と笑顔が浮かんで参ります。

寒い冬もまるで平気・・・とまでは申しませんが、なんとかやりすごすこともできるというものです。

凍えるようなお出かけ先からお戻りになるお嬢さま方へ。
まずは、ポットからお注ぎした一杯の紅茶で、どうか体の芯からお温まりくださいませ。
使用人達の穏やかな笑顔が、さらにお心に安らぎをもたらせれば、これに優る喜びはございません。

春の訪れも、間近でございます。
その日を指折り数えつつ・・・。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

迎春

司馬でございます。
皆様、良い年をお迎えになられましたか?

昨年中は、なにかとお世話になりました。
あらためてお礼申し上げます。

今年は平成も終わりを告げ、新たな時代の幕開けとなります。
例年以上に、いろいろな変化が訪れそうな予感もひしひしと致します。

しかしながら、あえて私は不変でありたいと考えております。
常にお傍に在り、常に笑顔で、常に皆様方の安心の源となれれば、これに優る幸いはございません。

もちろん、使用人として、まだまだ至らぬところも多い未熟者ではございます。
皆様方にご満足いただけるよう、力を尽くしていくことも、いままでと変わらずに続けていく所存でございます。

新年の抱負と致しましては、ややありきたりで申し訳ございませんが、どうぞ今年もよろしくお願い致します。

年も改まり、新春とは申しましても、これからはますます寒さも厳しくなっていきます。
どうぞ、体調を崩さぬよう暖かくお過ごしくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。