夏の終わり、秋の始まり

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

まだまだ残暑も厳しく感じられますが、朝夕に秋の気配が忍び寄ってまいりました。
寒暖の差もさることながら、夏の疲れがそろそろ出てくる頃でございます。
どうぞ、充分にご自愛くださいませ。

さて、今年の夏は、いかがでございましたか?
あ、このような問いかけは、夏の終わりをますます感じさせて、お嬢さま方を寂しい気分にさせてしまうかもしれませんね。

今年の夏も、お屋敷でお見かけするお嬢さま方の瞳の色は、日差しに劣らず輝いておりました。
きっと楽しい夏をお過ごしになられたのでございますね。
スワロウテイルでの憩いの時が、お嬢さま方の思い出を彩る一幕となりましたでしょうか?
ならば、司馬はとてもうれしゅうございます。

・・・とはいえ、九月といえども日中はまだまだお暑うございます。
アイスティーのラインナップがまだまだ豊富でございますので、どうぞこちらでも涼をお求めくださいませ。
もちろん、肌寒い秋晴れには、ふさわしい暖かいお飲み物を。
お申しつけ下されば、すぐに肩を包むショールもお持ちいたしましょう。
どうか、実り多き秋をお迎えくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

八月十九日は“819”の日

司馬でございます。皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

毎年、同じようなことを申し上げておりますが、今年は梅雨が長かったせいもあり、不意にやってきた真夏の暑さが、殊に厳しく感じられるようでございます。やせ我慢などはどなたも得をいたしません。水分補給はしっかりとなさって、毎日のお食事は充分に。夜遊びもほどほどになさいまして、規則正しい就寝時間を守るよう、重々ご自愛くださいませ。

とは申し上げましたが、真夏の夜に庭園などをそぞろ歩くのは、なかなかに魅力的でございます。冬の星のような冴え冴えとした輝きはございませんが、白昼の暑さから解放され、木立の間を通る夜風にあたりながら、煌々とした月明かりを見上げておりますと、私のような不粋者でも、なにか詩情のようなものが湧いて出ることもございます。

たまには、一句でもしたためてみましょうか。う~ん。なかなかすぐには浮かばないものでございますね。あらためて思い浮かびましたら、近々にご披露の機会もあるかと存じます。その時は、司馬の下手の横好きな一句、笑ってご鑑賞いただければ幸いでございます。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

夏の訪れ

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
七月を迎えました。いよいよ本格的な夏が帰ってまいります。

つい筆が滑りましたが、夏は“帰ってきた”、反面、冬は“やってきた”という感覚が当てはまるような気がいたします。私見でございますが・・・。夏が“去りゆく”という、惜しみゆく思いを込めた言葉はございますが、冬が“去りゆく”という表現はあまり口にいたしません。冬がやっと“終わる”という言葉なら、違和感がないような気がいたします。夏の訪れには、なにかわくわくとするような期待感がございます。
それゆえ、“帰ってきた”という待望の想いが溢れ出てしまうのでしょうか?

待ちに待った夏休みもやってまいります。お嬢様方が毎日、楽しく過ごせればこれに勝る喜びはございません。本日は、なにをいたしましょうか?
海水浴、プール、野外イベント、肝試し、バカンス。こんな言葉を並べるだけで、もう居ても立っても居られない気持ちが表情に表れてしまいます。お嬢様方のお望みにいつでも応えられるよう、使用人たちの準備にも怠りがあってはなりません。では、まずビーチパラソルを倉庫から出してまいりましょうか。

以上、夏の到来を間近に感じて、いつもよりも気持が高揚している司馬でございました。暑さが苦手で、秋の到来をお待ちのお嬢様には申し訳ございません。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

雨もまた楽し

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?
庭園の紫陽花も色づきはじめました。
梅雨の季節でございますね。

少々、ジメジメとして愉快とは言いがたい陽気が続くかと存じますが、せめて涼しげなお召し物に袖を通されて、この時節を乗りきって下さいませ。
ただ、朝夕の寒暖の差はまだまだ激しいようでございます。
どうかご用心をお忘れなきよう。

“雨”をテーマにした映画で司馬が思い出すのは、古典ではございますが、「雨に唄えば」でございます。
このミュージカル映画の至宝については、もはや私ごときが良し悪しなど語るのも畏れ多いほどでございます。
殊に、主演のジーン・ケリーが雨の中、激しく水飛沫をあげながら、歓喜のダンスを踊るナンバーなどは、月並みな表現でございますが、映画史に永遠に残る名シーンでございましょう。
まさに文句のつけようのない傑作であり、いつ鑑賞いたしましても心と体に元気が巡って参ります。

お嬢様方におかれましても、雨の日々はさぞ退屈をもてあまされることかと存じますが、お屋敷には屋内運動場もございますし、馬場はスイッチ一つで屋根もせりだして参ります。
どうぞ、雨の日々も楽しくお過ごし下さいませ。
もちろん、シアタールームでのご鑑賞もよろしゅうございます。
ご覧になる作品にお迷いになられたら、どうぞ司馬に一言お声がけ下さいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

イタリア!イタリア!

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

新緑が鮮やかな季節になりまして、汗ばむような陽気も珍しくなくなって参りました。
軽やかな足取りで、お出かけなどもよろしゅうございますね。

さて、今月の当家では、イタリアをテーマにした催しがございます。
残念ながら、いまだ足を踏み入れておりませんが、司馬にとりまして、彼の国は長年のあこがれの地でございます。

古代ローマ帝国から綿々と歴史を紡いできた、重厚かつ壮大なる文化遺産。
それを背景にしながらも、ファッションや建築、あるいは料理といったライフスタイルには、どこかユーモラスで自由を楽しむゆとりを感じさせるものがございます。

たとえば、パスタのネーミング一つにも、そんな遊び心は満ちております。
ペンネ、ファルファッレ、フジッリ、コンキリエ。
ご存じでございますか?
これらには、ペン先、蝶ネクタイ、糸巻き、貝殻という意味がございます。
それぞれが独特の形状をもったショートパスタでございまして、いかにもイタリア人らしい、食いしん坊で、お洒落な趣が伝わってまいります。
もちろん、それらに絡めるソースも無数のバリエーションがございますね。

お屋敷での日々にも、このような遊び心を忘れずにいられれば、お嬢様方のお心をさらに晴れやかにできるのではないかと、豊かなイタリア気質に敬意と憧れを抱いてしまうのです。

心地よい五月の日々でございます。
ティーサロンにおいても、シェフの心づくしのパスタをご用意いたしておりますので、ワイン片手にお食事をお楽しみくださいませ。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

時代の始まり

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

桜咲く四月となりました。
新年度の始まり。
新しい環境や出会い。
改元もいよいよ間近となりまして、新しい時代の幕開けも迫って参りました。
なにか大いなる変化が起こりそうな予感が致しまして、胸の高まりすら覚えております。

私は本来、ごくごく保守的な性分でございまして、一度決めた習慣や嗜好を変えることは好みません。
しかしながら、使用人の職務というものは、お嬢様のお望みのまま、融通自在に気働きをすることが求められるものでございまして、個人の性分などは二の次でございます。

一本の筋は通しつつも、しなやかに順応できる軽やかさを忘れずにいられればと、常々、思っておりますが、さて、お嬢様方の目にはどのように映っておりますでしょうか?

時節柄、なにかと新しい変化も多くございまして、お嬢様方におかれましても、翻弄されることがおありかと存じますが、どうぞ新たな時代の到来をお楽しみになる余裕をお持ちくださいませ。

もちろん、お疲れになられた時は、ティーサロンにて、いつでもご休憩の一時を・・・。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。

女王再臨

司馬でございます。
皆様、お健やかにお過ごしでございますか?

そろそろ厚い外套は役目を終え、春の喜びをお嬢さま方と分かち合える時季がやってまいりました。
とはいえ、季節の変わり目は、なにかと体調を崩しやすくなりがちでございます。
どうぞ、規則的な毎日をお過ごしになり、浮き立つお気持ちに流されませぬよう、お気をつけくださいませ。

さて、いささか遅すぎた話題かと存じますが、昨月末にアカデミー賞の発表がございましたね。
私がうれしく思いましたのは、主演男優賞の栄冠に輝いたのがラミ・マレック氏であったことでした。

「ボヘミアン・ラプソディ」。
この、おそらく平成最後の大ヒット作の素晴らしさ、その功績をもたらしたのは、氏が熱演されたフレディ・マーキュリーの存在感によるものといっても過言ではないかと存じます。

もちろん、クィーンという伝説的なバンドの楽曲が、この映画にもたらした効果はいまさら申し上げるまでもございません。
思えば、昨年末に映画を鑑賞して以来、ほぼ毎日クィーンのアルバムばかり聞いておりました。

音楽に関しては門外漢の私に、クィーンという途方もないグループの音楽史的な位置づけや、楽曲の分析など、とうてい手に負えるものではございません。
しかしながら、幾度くりかえそうとも、やはり心が奪われてしまい、些細な日常のことなど、魅力的な旋律の彼方へと押し流されてしまいます。
さすが、と脱帽せざるを得ません。
おそらく、いくら長い年月を経ても、新たな刺激をもたらす古典として、クィーンの楽曲は聞き続けられることでございましょう。

さて、今宵は女王の地である英国に敬意を表し、スコッチ・ウィスキーを片手にライブ映像を鑑賞することにいたしましょうか。

・・・お嬢さま方におかれましても、良き音楽と共にあらんことを。

では、今回はこの辺りで失礼いたします。