夏と冬の間

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

つい先日まで夏日が続いたかと思うと、あっという間に冬の気配が忍び寄って参りました。

・・・たしか、夏と冬の間には“秋”という季節があったはずでございますが、気のせいだったのでしょうか?

 

あまりにも長く暑い夏のせいで、秋の影が薄くなってしまった感がでございます。
なにか寂しさを覚えてしまいますね。

あっ。
いま気づきました。
この寂しげな気持ちこそ、“秋”そのものではございませんか。

目を凝らしてみると、やはり季節の移ろいの印は、どこかに見つかるものなのでございますね。
これから、木枯らしなども吹き、だんだんと紅葉も色づいてくることでしょう。
これもまた、秋の風物でございます。

気の早い話ではございますが、わずか一月後には年の瀬も迫り、いろいろと慌ただしくなって参ります。
夏と冬の間は本当に短すぎますが、この十一月くらいは、お嬢様方ものんびりとお過ごしになって、小さな秋を愛でてくださいませ。

 

では、冬の足音ももうすぐそこに来ております。
お嬢様方にお寒い思いをさせぬよう、早いうちに、厚手のお召し物と、暖炉の準備をそろそろ始めましょうか。

ホラーとお酒を

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

秋の風がようやく心地よく感じられるようになって参りました。
十月、といえば皆様も大好きなハロウィンシーズンの到来でございますね。

海外では、闇の力が増大するハロウィンの夜にちなみ、多くのホラー映画が上映されます。

 

では、このシーズンにぴったりな、司馬お勧めの怖い映画をご紹介いたしましょう。
断然、スタンリー・キューブリック監督の傑作「シャイニング」でございます。

 

人里離れた巨大なホテルの施設管理を任された父、そして、その父に連れられて、一緒に冬を過ごすことになった妻と息子三人の物語でございます。
売れない小説家の父は、人生逆転の傑作を書こうと、このような孤絶された環境に身を置くのですが、そこは、かつて忌まわしい事件のあった曰くのあるホテルでございました。
そして、小説執筆に行き詰ってしまった父は、やがて狂気に憑かれ、過去の事件をなぞるように妻と息子を・・・。
といったあらすじでございます。

 

スティーブン・キングの原作は、どちらかといえば正統的な幽霊屋敷譚の趣がございますが、映画で暗躍する死霊たちは父の狂気が見せた幻覚のような描写で、そこがさらなる恐怖を感じさせます。
特殊な能力を持つ息子が、その力を発揮するシーンでは、未来に起きる惨劇を幻視します。
その時に、彼の口から繰り返し呟かれるのは「レッドラム」という不吉な響きのある言葉。

 

そうです。
この言葉と同じ名前が、お屋敷でご用意しております食後酒でございますね。
果たして、この「レッドラム」という言葉に秘められた意味とは・・・。

 

というわけで、マンゴー、パイナップル、ココナッツ、チェリーなど、ホラーとは対照的に甘美なテイストの「レッドラム」を満たした杯を手にし、ホラーな夜を体験してみるのも、ハロウィンらしい座興ではございませんか?
映画が恐ろしすぎて、ついつい酒量が増えすぎないよう、どうかご注意くださいませ。

 

「レ・・ド・・ラ・・ム・・。レッド・・・ラ・・ム」
「レッド・・ラム。 レッド・・ラム! レッドラム!! レッドラム!!!」

 

暑さ寒さも・・・

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

9月になりました。
―暑さ寒さも彼岸まで―。
と申しますように、夜分は肌寒さを感じることもございます。
日もだんだんと短くなって参りまして、ほんのわずかではございますが、秋の気配が忍び寄っているようでございますね。

 

お嬢様方におかれましても、やっと一息つかれることかと存じます。
しかしながら、そろそろ夏の疲れも出てまいりますので、どうぞご自愛くださいませ。

 

夏は終わりに近づいておりますが、博物館や美術館の夏季特別展などは、まだまだ開催中のところもございます。
木立を吹き抜ける、少しだけ涼しくなった残暑の風を感じながら、お出かけをお楽しみになるのも、一興でございましょう。

 

また、欧米では9月は新年度の始まりでもございます。
これを機に、お嬢様方もなにか新しいことを始められてはいかがでございましょうか?

 

司馬も、いままでは食わず嫌いだったジャンルの映画でも鑑賞してみようか、と考えております。
手始めに、思いっきり悲劇的な、涙が枯れるほどのラブロマンスあたりでも・・・。

 

おススメの映画

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

毎日毎日、うだるような暑さが続いております。どうかお体の安全を第一に、ご無事に毎日をお過ごし下さいませ。

さて、そんな猛書も吹き飛びそうな、とても好ましい映画に出会えましたので、今回はこちらをご紹介したいと存じます。

「フライ・トゥ・ザ・ムーン」
監督:グレッグ・バーランティ
出演:スカーレット・ヨハンソン
チャニング・テイタム

予告篇を初めて見たときは、「アポロ11号の月面着陸映像はフェイクだった?」という他愛のない都市伝説を元ネタにした、シリアスなサスペンスという印象を持ちました。

・・・とんでもない!

小粋なジョークと遊び心に満ちた、軽快なテンポのコメディでございました。
話題性という点からすると、予告篇の見せ方で、大いに損をしている感がございますね。

 

本作は、凄腕プロフェッショナル集団が、持てる力を結集させ、国家的なプロジェクトを成功させる「お仕事映画」であり、そして、ここが素晴らしいところでございますが、最近あまり目にすることのなかった、アメリカ映画らしい上質な「大人のラブコメ」でもあります。

 

チャニング・テイタムが演じるのは、理論と現実を重んじる技術屋。
一方、スカーレット・ヨハンソン演ずるは、夢やファンタジーという、目に見えぬものを商う広告屋。
そんな、相容れない価値観を持った二人の理想と思惑がぶつかり、やがてロマンスに発展していくストーリーの構成は、実に見事でございます。

 

アポロ11号の発射シークエンスのスペクタクル。
広大な敷地に建てられたNASAの巨大建築群の勇姿。
スカーレット・ヨハンソンが、まるで着せ替え人形ように、次々と身にまとう60年代ファッション。

といった、大スクリーンに映えるシーンもたっぷりでございます。
叶うならば、ぜひとも劇場で体験していただきたく存じます。

ご鑑賞後、心の中に一陣の涼風が吹いたような、爽やかなお気持ちになることでございましょう。

 

よろしければティーサロンにて、司馬にご感想をお聞かせいただければ、幸いにございます。

七夕と夏服と

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

七月といえば、七夕祭りでございますね。
毎年、ティーサロンの玄関には笹の葉が飾られ、訪問されたお嬢様方の願いごとが下げられるのが恒例の行事でございます。

 

色とりどりの短冊でよく目に致しますお嬢様の願い事の一つが、“ー誰々の夏服姿が見たいー”というものです。
フットマンの普段と異なる装いは、どうやらお嬢様方にとって、夏の盛りの大事なお楽しみのようでございますね。

 

実は、司馬もひそかに夏服には憧れておりましたが、執事という役職には夏服がなく、叶わぬ願いと諦めておりました。
ところが、でございます。
昨年末から時折、ドアマンの役目を仰せつかることが増えまして、なんと晴れて今年は夏服を披露することが叶ったのです。

 

似合っているかどうかは別にして・・・。

 

フットマンとはだいぶ様子も異なりますが、司馬の夏服姿がお嬢様方のお気に召していただけるのなら、これほどうれしいことはございません。

 

というわけで。
願いごと、とは決してすぐに叶うとは限りませんが、願わなければ叶うこともございません。
どうかお嬢様方におかれましても、少しくらい我儘と思われても構わないお気持ちで、思うがままに願い事をお書きくださいませ。
使用人一同、その願いが叶うよう、精一杯に尽力致します。

 

―大切なお嬢様方と使用人仲間達が、この夏を涼しく乗り切れますように―

 

ちなみに、司馬が短冊に記したい願い事でございます。
ささやかではございますが、叶うことを心より願っております。

 

では、まもなく夏の盛りを迎えますが、どうぞご自愛くださいませ。

思い出の味

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

梅雨入りは少し遅めになるということでございますが、今年もジメジメとした陽気がやって参ります。
気も滅入る日々が続くとはいえ、曇天に映える紫陽花の色、雲間から漏れる時折の柔らかな陽射しなど、梅雨にはまたふさわしい趣もあるのではないかとも存じます。
静かな雨音に耳を傾けつつ、心穏やかに梅雨の日々をお過ごしくださいませ。

 

さて、今月の前半は司馬のおすすめとして、レアチーズケーキをご用意いたしました。

先月に続き、個人的な思い出で恐縮でございますが、司馬の子供のころのケーキといえば、ショートケーキやモンブラン、せいぜいシンプルなチョコレートケーキなど。
チーズケーキもベイクドチーズケーキが当たり前であり、初めてレアチーズケーキを口にした時は、その口当たりの優しさに感動すら覚えたものでございます。
というわけで、司馬にとっては思い出の味の一つ。
僭越ながら、お嬢様方にもその想いを共にしていただきたく存じました。

 

ブルーベリーソースはクリームチーズとの相性も抜群。
また、甘さも控えめでございますので、良く冷えたデザートワインとのマリアージュも最高でございます。
涼し気な味わいに、梅雨の鬱陶しさもお忘れになること間違いなしでございますので、ぜひぜひお試しくださいませ。

 

May the 4th

司馬でございます。
皆様、お健やかでいらっしゃいますか?

 

初夏の日差しも心地よく、新緑が目に優しい5月となりました。
そんな5月の4日にはある記念日が定められております。
皆様はご存じでしょうか?

この日は、司馬の愛してやまない映画である、「スターウォーズの日」でございます。
劇中の名台詞 “May the Force be with you.”( フォースと共にあらんことを。) のMay the Force とMay the 4th (5月4日)をかけた語呂合わせが、その由来でございます。

「スターウォーズ」という娯楽大作について、その内容や歴史的な意義について語ろうとすれば、もはやお屋敷の日誌の範疇を超えた長文となってしまいますので、まことに遺憾ながら、詳細は控えさせていただきたいと存じます。
ただ、50年近くもシリーズが続いているという事実が、その作品の偉大さを物語っているとだけ申し上げておきましょう。

 

ここでは、個人的な思い出だけを述べさせていただきましょう。
「スターウォーズ」は幼少期の司馬にとりまして、映画、特に娯楽大作というものに初めて触れた作品でございました。
その頃は現在のように、様々なメディアで映像作品が展開される状況ではございません。
当然、海外作品の吹き替え版上映などもございませんでした。
まだ年端もいかぬ子供にとりまして、字幕を理解するのも一苦労でございましたが、この作品は、字幕を読む苦労などはまるで感じず、その圧倒的な映像と、主人公たちが繰り広げられる冒険に、ただただ夢中になりました。
ちなみに、数年後に公開された続編の「帝国の逆襲」でさらなる衝撃を受けるのでございますが、このお話は来年にとっておくことに致しましょう。

 

ともかく、「スターウォーズ」をきっかけにして、司馬は映画の面白さを知ったのでございます。
人生を変えた作品であることは、間違いございません。
現在の目で見直しますと、この作品には欠点が皆無というわけでもなく、未熟で幼稚な印象を持たれる方もいらっしゃるかとは重々承知しております。
しかし、映画という広大で肥沃な世界の入り口となってくれた「スターウォーズ」は、司馬にとって生きる土台の一つであり、いくら感謝しても足りないほど聖なる作品なのでございます。

 

あれから、時代はだいぶ変わりまして、いまや人々の心をつかむ娯楽は世に溢れております。
映画に限らず、音楽、ダンス、お笑いなど。
そして、それらをすべて含むような動画配信も星の数ほどございます。
当家のお嬢様方が、それらの中から素敵な出会いがありますよう、司馬は心から願っております。
娯楽と芸術は、人生を豊かにし、生きる勇気や喜びを必ず与えてくれるものと信じております故。

 

 

“May the Force be with you.”