執事歌劇団

こちらの使用人の日誌で歌劇団のお話をする事は控えておりましたが、とても素晴らしい仲間をお嬢様に知っていただきたく記させていただきました。

『お給仕以外でもお嬢様を楽しませる事は出来ないか…』

そんな想いから生まれた執事歌劇団。
とても短い様で長い月日を仲間と過ごしてまいりました。

給仕を終えては稽古、稽古を終えては自室で作曲、初めは右も左も分からない状態で進んでまいりました。

少しずつではございますが、我々なりの舞台への向き合い方が見つかってまいりました。

執事歌劇団はそれぞれの団員が秀でた能力が異なりまして、皆でようやく一つの大きな力になる集団だと存じております。

香川執事の包容力のある、皆を支える力。
影山の見えない所で自身を磨く意識。
能見のユーモアある親しみやすいキャラクター性。
瑞沢の天真爛漫で無邪気な行動力。
伊織の計り知れない才能。

隈川の限りない優しさには私も少し甘え過ぎているかもしれません。

環は今、歌劇団の羅針盤となり皆を導いてくれております。

そして、歌劇団の大黒柱、椎名執事…
誰よりも頼れる存在でございます。

少しだけ4月から歌劇団は形を変えますが今のメンバーならそれを力とし新しい進み方を見つける事が出来ると信じております。

我々はどんな道でもお嬢様と共に進んでいく所存でございます。

近くでも、遠くでも、見守ってくださいませ。

どうかよろしくお願いいたします。

誇れる仲間

お嬢様、かなり遅くなってしまいましたが明けましておめでとうございます。

私百合野は年末年始、様々な使用人とのコミュニケーションをさせていただいております。
去年は独りで黙々と音楽を奏で作曲をし、ギリギリと音をたてながら音楽の流れる円盤を作っていたり…

独りの時間が長うございました。

しかしながらこんなにも仲間がいるのに交流を図らないのは勿体無いと思い
コミュニケーションを取ってみたら、何倍もティーサロンが楽しくなりました。

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ティーマイスターの拘り

当家にはお嬢様に紅茶をお出しする、紅茶係ティーマイスターがおります。

それぞれの拘りがあると思いますが、その「拘り」とはまた別に各々ちょっとした「裏技」を持っているものでございます。

もちろん「裏技」でございますので、それぞれ口には出しませんが、こっそり覗いてみたら、やはりやっている…と思う時もございますね。
裏技と申しましてももちろん突拍子も無い事はいたしません。
お嬢様にお出しする大切な紅茶でございますので…。

少しだけお伝えいたしますと、私の場合その裏技は毎回使えるわけではなく、紅茶によって使い分けると申しました方が的確かもしれません。

経験によって見つかる事もございますし、たまたま練習中の失敗から見つかってしまう事もございます。

紅茶はとくに繊細なものでございまして、拘り甲斐がございます。

個人的に100点でもお嬢様にとってはそうで無い場合も…
「相性」もございますので、また面白いのかもしれませんね。

お気に入りの紅茶をティーマイスターによっての違いで楽しんでいただいたり、その日のお奨めの紅茶で各々の個性を楽しんでみてくださいませ。

過ぎ行く季節

もうすぐ冬でございますね。

寒いのは苦手でございますが、冷たい風が吹き始めた瞬間の匂いが好きな百合野でございます。

お嬢様は春夏秋冬、どちらの季節がお好みでございますか?

春が好きな方は明るく前向きな方が多く
夏が好きな方は大胆でおおらかな方
秋が好きな方は無口で感性の鋭い方
冬が好きな方は活動的で地道な努力家
が多いそうでございますよ。
当たっておりますか?

どの季節も、それぞれ良さがございますが私は夏が特に楽しみでございますね。
あまり大胆では無い気がいたしますが、もしかしたらそんな一面が眠っているのかもしれません。

さて、お屋敷では11月に入りまして、次第に冬への装いと変わってまいりました。

シーズン毎にお屋敷も少しだけイメージチェンジしております。
よろしければ使用人と一緒にその変化を探してみてくださいませ。

長旅に出られておりますお嬢様も…
使用人はどんな時も首を長くしてお待ちしております。
しばらくティーサロンにいらっしゃらないと皆心配いたしますので、早めにお戻りくださいませ。

皆が見ている…

5月24日の金澤の日誌を読んで目頭が熱くなった百合野でございます。

使用人達をサッカープレイヤーに例えていただいたり、歌劇団の歴史を語ってくれたり。
嬉しゅうございますね。

使用人の立ち位置をサッカーのポジションで例えると確かに歌劇団はFWポジションかと存じます。

お屋敷の名を背負って外での音楽舞踏会などに参加させていただいて、お呼ばれされるパーティー等ございましたら我々が顔を出させていただいております。

ですので、皆様から見られるお屋敷の『顔』と例えられてもその名に恥じない様、努めているつもりでございます。

しかし、使用人はティーサロンや本邸でのお給仕の姿勢もお嬢様への忠誠の一つとなります。

安心してお食事を楽しんでいただいたり、時に紅茶やカクテルのデモンストレーションなどを行うパフォーマンスも。

そちらを表現出来るのは紅茶部やビバレージユニットのメンバーしかいないと存じております。

そしてゴールキーパーと表現しておりましたが…

フットマンの時は、つい見落としがちな食器の下げ物や洗い上がりの補充などに気を配り。

ドアマンの時は、ティーサロンの流れを予測し気を配りながら執事に案内し。

シェフとフットマンの架け橋となるマスターオブサーバンツホールを担う時は、それぞれのフットマンの動き方を把握しつつ指示を出してくれる。

おまけに紅茶係の時はお嬢様の好みに合わせたレシピコントロールをし、それぞれ紅茶の特性を把握しながら淹れられる使用人…。

金澤さん…
貴方はゴールキーパーには留まりませんよ。

使用人の皆はきっと貴方のそんな『背中』を見て尊敬しております。

私もその一人でございます。

だから安心してください。

ゴールまでボールは運ばせませんから。

続・貴重な旅

百合野でございます。先日の旅の話の続きでございます。

実はこの旅でも大旦那様はしっかりと我々使用人を育てようとしてくださいました。

それは、己の精神を鍛える為にとても高い場所に位置する吊り橋を皆で渡る事になりました。

怖いので渡れないと入り口で引き返す使用人、山と山を繋ぐ吊り橋は中盤辺りで一番風が強くなり、そこで諦める使用人…
様々おりました。

そんな中、姿勢一つ崩さず、突き進んでいく使用人がおりました。

水瀬でございます。

使用人を先導するかの様に進む、その大きな背中はまるでお嬢様を護る戦士の様でございました。

そして振り返ると後ろには微笑んだ古谷の姿が。

凛と立つ彼もまた、後衛を司る聖騎士の様。

皆、頼もしゅうございます。

私は危険な状況にも関わらず、なんだか安心感に包まれておりました。

(本来は前後でなく、高さが敵でございますが…)

そしてその試練を終えましたら大旦那様からのお食事やサプライズのプレゼントがございました。

大変使用人想いな大旦那様と仲間の心強さを実感した旅でございました。

歌劇団の団員達はもちろん誰よりも頼れる仲間でございますが、今回の旅では少し違った目線で仲間との話をお届けいたしました。

まだまだ語りきれませんが、この続きはティーサロンでお話いたしましょう。

では、失礼いたします。

貴重な旅

先日使用人の皆でお出かけに行ってまいりました。

バスに乗り少しばかり遠くの地へ。

普段給仕や勉強で一日を終える我々。
この様な余暇は大旦那様からいただいた貴重なお時間でございました。

普段ゆっくりお話できない仲間との交流も楽しみました。

金澤とは欧州車の話で盛り上がりました。
とても博識で、普段大人しい金澤が車のことになると様々な知識を伝えてくれる事が新鮮でございます。

彼は本当に色々な事に気が付き使用人に対しても気を回してくださいまして、心優しい尊敬する使用人の一人でございます。

尊敬する使用人といえば
大河内もその一人。

彼が給仕の時に私は歌劇団の稽古などで顔を合わせる機会は少のうございますが、いつも顔を合わせる度に笑顔で
「いつも稽古お疲れ様…」と言葉をかけてくださいます。

使用人としても階級としても先輩にも関わらず、後輩にも優しく様々な事に博識で、お屋敷に入った時から憧れている方の一人でございます。

そして…

旅の最中ではこんな方とも交流を交わしました。

何やら、使用人が集まっておりまして…

その中央にある何かを囲んでおります…

四角くて…

色とりどりな…

カードゲームでございました!

司馬執事でございます。

カードの使い手と行っても過言ではないほどたくさんのカードゲームを所持しておりました。

いつもとても変わったカードゲームで皆を楽しませてくださいます。

ゲームの内容はカードの手札の絵柄を使いながら物語を作るという素敵な内容でございました。

司馬執事はまるでラスベガスのディーラーの様にカード操って、皆を楽しませてくださいました。

旅の話は尽きませんね…。

この続きはまた日誌でお伝えいたします。