梅雨

ご機嫌麗しゅうございます。
環でございます。

もう季節は梅雨でございますね。

雨が降ったり止んだりはっきりしない天候でございますが、傘のお忘れが無いよう日々お気をつけくださいませ。

梅雨明けはいつも何日辺りだったか忘れてしまうのですが東京ですと7月の中旬過ぎた辺りが平年だそうで、あと約一ヶ月くらいは梅雨と向き合わないといけない計算になります。

じっと待っていてもまだ先は長うございますので、その先に控える夏本番の前に梅雨という情緒を楽しむことといたしましょうか。

紫陽花など花と雨のコントラストに惹かれたり、水たまりに揺れる波紋を数えてみたり、梅を使って料理を作ってみたり、願掛けにてるてる坊主を作ってみたり…

この季節でか味わえないひとときを過ごしてみるのもまた一興でございます。

出来るだけ良き梅雨になりますように。

それでは。

海苔

ご機嫌麗しゅうございます。
環でございます。

お嬢様は最近好きな食べ物はございますか?
私は、『海苔』の美味しさを再発見して毎日食べております。

自分でご飯を作る時、どうしても白米のお供が必要になります。

おかずを作ればそれで事足りるのでしょうが、手間や時間をかけたくない時に海苔という食べ物はその真価を発揮いたします。

ただお米に乗せて、巻いて食べるだけ。
それだけで白米が何倍にも美味しくなるのです。

普段は自炊せずに過ごしていたので気付かなかったのですが、手軽に白米のお供になれる海苔は重宝する食べ物であると感心いたしました。

それだけではございません。

なんとなく口さみしい時、お菓子を食べるのは躊躇いたしますが海苔をパリパリ食べることにはなんの躊躇もございません。

食べ過ぎて5枚ほど消費したとしてもカロリーや塩分も大したことございません。

理想の間食としても海苔は重宝いたします。

問題があるとすればちょっと飽きやすいというくらいでしょうか。

でも、1日置けばまた食べたくなる。
そんな魅力的な食べ物でございます。

是非お嬢様も、白米や間食のお供に食してみてはいかがでしょうか。

それでは。

桜ひとひら

ご機嫌麗しゅうございます。
環でございます。

気がつけば桜も葉桜になりましたね。

あいにくじっくり見る機会もなく葉桜になってしまいましたが、それでも地面に落ちた花びらが確かに春であることを伝えてくれました。

ここから力強い葉をつけた木々が街中に広がり、世界に新たな息吹を運んでくれることでしょう。

お屋敷のティーカップ達もお嬢様に会いたそうに棚に並んでおります。

美しい調度品も誰かの目に触れなければただの器。使用人だけでなく、屋敷に宿る全ての命と共にお待ちしております。

まずはその日のためにぴかぴかに磨いておかなければ。

どんな時でも前を向いて。

それでは。

男のロマン

ご機嫌麗しゅうございます。
環でございます。

お嬢様はあまりお考えになったことがないかと存じますが、世の中には火起こしという自然にあるものを使い火を起こすという技術がございます。

何故そのような話をするかと申しますと、以前キャンプの話を瑞沢としていたらやっぱり男の憧れは火起こしだという結論に至りまして、自分の力だけで火種が作れる人はすごいなという話をしていました。

そして詳しく調べてみたところ、いくつかの方法を見つけました。

まずは木だけを使って火種を作り、それを藁など柔らかくて燃えやすい木材に移す方法でございます。

かなり原始的な方法でございますが、細くて長い木の棒をもう一方の石などで穴を開けた木の板に合わせ、ひたすら火種が出来るまで両手を使ってドリルのように擦り合わせるといった方法でございます。

おそらくお嬢様も何かしらの媒体で見聞きしたことがあるかと存じます。

材料は自然にあるものだけで簡単に用意出来る方法なのですが木の相性やコツもあるそうで、難易度はかなり高いかと思われます。

そして他にも珍しい火のつけ方がございます。

それは太陽の光とレンズで焦点を作り、そこに藁を置いて自然に発火させる方法です。

こちらは技術を必要とせず、しかも準備が完了したら後は待つだけという至ってシンプルな方法でございます。

ただ、レンズをどこから調達するかが問題となるのですが、こればかりは人工的なものを使用しなければなりません。

例えば透明な瓶の底。

丁寧に瓶底以外を砕いてピックアップ、それをレンズ代わりとして使用するのだそうです。

その他にも、水を入れたペットボトルでも代用出来るという変わったレンズの作り方もございました。

どの火起こしも実際にやってみなければその難しさは分からないのですが、いつかキャンプをで火を起こす機会があれば、そのとき瑞沢と二人でこっそり体験してみようかと思います。

男のロマン。

お嬢様は決して火には近づかず、我々にお任せくださいませ。

それでは。

これはとある日の出来事。

私と高垣、使用人食堂にたまたま居合わせた時のことです。

二人とも食事を済ませて休憩していたのですが、目の前には包装紙に包まれた飴の入った瓶が。

どうやら海外で伊織が買ってきたお土産らしく、使用人皆で食べてとの書き置き。

食後に甘いものを摂ろうと二人でテーブルに並べてみたのですが、海外のお菓子はたまにすごい味のものがあり、中身が分からないのがネック。

同じ包装紙には同じ味の飴が入ってるでしょうから、アタリを引けばその紙の飴はアタリ、その逆もまた然りです。

折角の食後のデザート。
是非ともアタリを引きたい二人で初めから牽制し合っていました。

環「高垣君、これ美味しそうだよ」

高垣「いえ、包み紙的にハズレな気がしますので、環さんが食べてみればいいじゃないですか」

環「いやいや、私は後輩に美味しいものを食べてもらいたくて勧めているんだ。食べてみて」

高垣「…ちょっと怪しいので私はこれを食べます」

環「あ、それは私が目をつけていた安全そうな飴…。高垣君、いい飴に目をつけたね」

高垣「私はこれを食べます!」

環「では私はこれを。せーので食べてみようか」

高垣「いいですよ」

もぐもぐ…

もぐもぐ…

環「うん、普通に美味しい」

高垣「はい、私も普通に美味しかったです」

せめてどちらかは変わった味だったなら面白かったのですが、生憎二人とも美味しい飴でした。

その後、二人で食器を片付けていると後ろから使用人の断末魔が聞こえてきたのはきっと気のせいでしょう…。

運の良い二人でございました。