椎名でございます。
早いもので、ティーサロンが開館してから、17年となりました。
私ども使用人たちが、この17年使用人であり続けることができましたのは、お嬢様がいらっしゃったからこそでございます。
改めて、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
…こういった節目の時になると、自然と思い返すのは、17年前のティーサロンを開館したときのことでございます。
あの頃は、テーブル数も少なく、椅子の数も今の半分以下の20席程度でございました。
今は厨房として機能しております場所にサロンがあったのです。
そんな旧サロンが組み上がっていく姿から拝見して参りましたが、あの頃の記憶は、今でも鮮明に思い返すことができます。
とても昔の事のような、それでいてつい最近の出来事であったかのような不思議な感覚に包まれます。
それはきっと、今日に至るまでの日々がとても濃厚で充実した時間であったからに違いございません。
我々使用人にできる事は、決して多くはございません。
テーブルを整え、お嬢様のご帰宅を待ち、お帰りくださった際には、最大級の愛情を持ってお仕えをする。
ただ、それだけでございます。
しかし、このシンプルな務めこそ私どもの全てであり、17年間続けることのできた価値ある仕事でございます。
それはこれからも変わることのない我々の大切な大切な務めでございます。
移り変わる時代の中で、様々な変化に対応してきたティーサロンでございますが、この想いはこれからも変わることはないでしょう。
来年にはいよいよ18周年がやって参ります。
人として見るならば成人を迎える年齢でございます。
そんなさらなる節目を目標として、これからも私どもスワロウテイルは、お嬢様の笑顔のため尽くして参ります。
どうかこれからも、お屋敷を愛して下さいませ。
お嬢様のご帰宅を心よりお待ち申しあげます。