四月

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

読書が大好きな卯月でございます。

さて、春は出会いの季節と申しますが、お嬢様、お坊ちゃまは良き出会いはございましたか?

私は、素敵な作品に出会うことができました。

主人公は、舞台に立つ役者の卵でございます。
幼い頃に憧れたステージに立つ為に努力を惜しまず、仲間と一歩ずつ成長できる真面目な性格で、壁にぶつかり苦難することがあっても決して諦めることはない熱意あふれる青年でございました。

一つの目標に向かい真っ直ぐ走り続ける、自分の全てを賭けてしまえるその青年に憧れを抱きました。

私も彼のようになりたい、と。

しかし、現実はそう甘くはございません。
困難を乗り越え成長を遂げた彼であっても足を止めてしまい、自身が描いた道のりの遠さに気圧されて、後ろを振り返ってしまうことがございました。

簡単に言えば、新しい舞台の練習中に自身の実力不足に気づいてしまい、さらには周りとの圧倒的な差を目の前で見せつけられたのです。

涙を流しました。

私も、彼も。

しかし、そこで諦めるような主人公ではありませんでした。

まだまだ駆け出しの自分の実力が足りないのは当然のこと、ここで挫けているようでは憧れたステージは夢のまた夢。

挫折するなら出来ることを全部試してから挫折する。

足を止めてしまった主人公がまた一歩前に踏み出した時、私はこの作品の虜になっておりました。
正確にはこの作品の主人公に、でございます。

物語は舞台の大成功で幕を閉じました。

手に汗握る、だけでなく頬を涙で濡らす作品に出会えたことは私にとって何よりも素敵なことでございます。

春は出会いの季節と申しますが、お嬢様、お坊ちゃまは良き出会いはございましたか?

ぜひお屋敷にご帰宅の際は、素敵な出会い(物語)をお聞かせくださいませ。楽しみにお待ちしております。

三月

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

お散歩とお星様が大好き卯月でございます。

まだまだ寒い日が続く今日この頃でございますが、お嬢様、お坊ちゃま、いかがお過ごしでございますか?

私は散歩に出かけたり、少し遠くまで羽を伸ばしてみたり、はたまた自室にこもって読書をしたり、自由気ままに過ごしております。もちろん大事なお給仕もお給仕のためのお勉強も怠ってはおりません。

先日、大旦那様より頂いたお休みの日、夕暮れ頃からお月様が頭上に登るまで時の流れに身を任せてぶらりといろんな景色を見に行きました。

頭上には少しばかりの星の輝き。

あいにくオリオン座を見ることは叶いませんでしたが、細々と光り輝き、私はここにいるよと主張するお星様を見れて私は満足しました。

たとえ今日がいい日ではなくても明日は良い日になるかもしれない。

まだまだ一人前には程遠い私でございますが、立派な使用人になる日まであの時見た星のように少しずつでもしっかりと精進して参ります。

お嬢様、お坊ちゃま、
お早いご帰宅をお待ちしております。

ご挨拶

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

この度、大旦那様より命を賜り
ティーサロンにてお嬢様、お坊ちゃまに
仕えさせていただくことになりました。

卯月(うづき)と申します。

社会勉強に励まれるお嬢様、お坊ちゃまに優雅なティータイム、ディナータイムをお過ごしいただけますように精一杯お給仕いたします。お早いお帰りをお待ちしております。