日誌

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

早いものでもう3月でございますね。
3月と聞いて日本人の心に真っ先に浮かぶもの。
そう、それは「桜餅」でございます。

実は立春を過ぎた2月上旬から店に並び始めるのですが、やはり出揃うのは3月上旬でしょうか。

桜餅といえば東の長命寺、西の道明寺ですが、最近は東京でも道明寺が多いように感じます。

人気店もございますが、個人的には街歩き中にたまたま見つけた和菓子屋で一つ買い求めて散歩しながらいただくというスタイル(?)が好みでございます。

美味しいと感じたかどうかは、再度その店へ戻る気持ちが湧くかどうかで判断しております。

今までの個人的ベストは、とある地方の小さな和菓子屋でございました。
道明寺ですが、食べやすいよう太い葉脈が取り除かれた桜の葉で巻かれ、上に桜の花の塩漬けが添えられておりました。
(私は桜の葉は一緒にいただく派でございます)
そして中の餡が枝豆餡でございました。
桜色に包まれた鮮やかな黄緑色の餡は優しい甘さに加えて目にも楽しいものでした。
小走りで店に戻り、追加で5個買い求めてしまったのを憶えております。

お嬢様も小さな和菓子屋が目に留まりましたら是非、馬車をお停めいただいてお寄りになってみてくださいませ。

日誌

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

まだまだ寒さは厳しい2月ですが、春を予感させる暖かい陽射しも出て参りましたね。

先日お休みを賜った日がそのような陽射しでございましたので、久しぶりに家具屋巡りをして参りました。

私は生活骨董と言われるような、アンティークではない日々の修繕の跡が残っているような古家具、古道具が以前から好きでございます。
綺麗なアンティークとは違い、実際に長年使われてきたことが実感、想像できますし、だからこそ自分も大切に、しかし飾りではなく普段使いをしようと思えます。

そして散歩がてら半日ほど巡っていたのですが、気になる椅子を見つけてしまいました。
私が生まれた頃にハンガリーで作られたダイニングチェアのようです。
鋲で留められた座面の革はヒビもあり、細工が施された木の背もたれや脚は白い塗装が部分的に剥がれております。

この椅子をどこへ置こうか?
椅子として使おうか?花台にもなるかも?
塗り直しをしようか?このまま塗装が落ちていく様を見たい気もする…。
などなど想像するのが楽しいこの数日でございます。

ティーサロンのテーブルや椅子も快適にお使いいただけますよう、心を込めて日々お手入れいたしながらお帰りをお待ち申し上げております。

目標

年が明けたと思ったらもう一月下旬、早いものですね。
健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

私はあまり年初の目標は立てないのですが、今年は二つほど目標を立ててみました。

一つ目は「月に一度は他県に出掛ける」

ハードルの低い目標でございます。
しかし昨年のカレンダーを見返したところ、日帰りを含めても他県へ出掛けた月は6回だけでした。
歳のせいとは思いたくありませんが、年々遠方に出掛けることに億劫さを感じているのかもしれません。

ということで早速、今月は小さな温泉地へ行って参りました。
自身久方ぶりの温泉でしたが、観光するような場所もなく湯に浸かってのんびりすることに集中できリフレッシュして参りました。

これからも積極的に自分の経験や見識を広めることでもう一つの目標
「お嬢様により心地良い時間を過ごしていただく」
ことに活かして参りたいと存じます。

本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。

年末

寒さも厳しさを増して参りましたが健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

年の瀬も迫ってまいりましたね。
私の一年はお屋敷へお仕えする縁をいただいたことを始め変化の多い年でございました。

いろいろ悩みながら自分で選んだ変化でございましたが、良いこと悪いことありながらも変化に飛び込んでよかったと感じております。

お屋敷では自らの至らぬ点の多さに不甲斐なさを痛感、反省することも多い日々でございますが、見守ってくださるお嬢様に少しでもお応えして一年を締め括れるよう年内も努力いたしてまいります。

寒い日が続くようでございます。
穏やかな年末年始をお迎えいただけますよう、どうぞご自愛くださいませ。

衣替え

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

暖かい、むしろ暑いと衣替えを怠っておりましたが急な寒気の到来で先日の賜暇の際にやっと衣替えをいたしました。

衣替えとは申しましても服など僅かな数しかございませんのでものの15分で終わってしまいます。
時間がかかるのはむしろ服以外でございました。

まずは寝床周り。
シーツを暖かいものに替え、厚手の布団を出して外に干し、念の為毛布も準備。

次はキッチン周りです。
そのうち鍋など恋しくなるでしょうから棚の奥から土鍋を出しておきましょう。
そうなると必要なのは熱燗でございますね。
徳利に猪口、ちろりも確かめておかねばなりません。
土鍋や徳利にヒビが入っていては大変です。
一度試しておかねば。

早速おでん種と生酛の日本酒を調達して参りまして、土鍋や徳利に問題がないことを確認して休日を終えました。
これで安心して冬を迎えられそうです。

本格的に寒気も深まって参るでしょう。
お出掛けの前後にお身体をゆっくり温めていただけますよう、ティーサロンでお待ち申し上げております。

ベストシーズン

朝晩は少々冷えるようになってまいりましたね。
健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

私は定期的な運動をしておりませんが、その代わり時々ゆっくり散歩をいたします。

休みの日に電車で適当な駅で降りてふらふら3時間ほど歩き回ることもございます。
時間も距離も決めず、面白そうな店があれば立ち寄り、雰囲気の良さそうな邸館にてお酒のお勉強というのも楽しみの一つです。

そして東京ならではの楽しさを感じるのが深夜、早朝の散歩でございます。
終電の頃に出掛け、どこかの駅から2〜3時間かけて自室まで歩いたり、逆に始発前に出掛けて通勤ラッシュ前に電車で帰る。

そこには昼間見ることのない東京が広がっております。
いつも渋滞しているのに車がいない大通り、飲屋街で最後にポツンと灯るバーの看板、
明るくなる前から何かを仕込んでいるお店などなど。

冬になる前のこの季節、昼も夜中も早朝も散歩のベストシーズンでございます。
お嬢様にもお勧めしたいのですが、夜中の散歩は危険もございますのでお止めさせていただきます。
しかし東の空が白み始めた頃であれば、こっそりお屋敷をお出掛けされるお姿は見ぬふりをして警護のものに託しましょう。
是非散歩の収穫を教えてくださいませ。

感謝と謝罪

健やかにお過ごしでいらっしゃいますか?
宗近でございます。

お屋敷に参って二か月余、時々お嬢様にお声をかけていただけることがございます。

「宗近はそろそろお屋敷に慣れてきた?」
「頑張りなさい。」

と、お気にかけていただくお言葉です。
かような温かいお心遣いを賜るたびに一層励まねばと、とても気持ちが前向きになります。
ありがとうございます、お嬢様。

そしてまだまだ未熟な私が執務を遂行できるのは、折につけ気に留めてくださる使用人の方々のお力添えが大きく感謝の念に堪えません。

私は素晴らしいお屋敷にお仕えできておりますね。

 

またお仕えするなかでお嬢様より多く賜るもう一つのお言葉がございます。

「宗近は何か音楽をやっているの?」

恐らく私の風貌が音楽の教科書に掲載されている楽聖のお姿を彷彿とさせるせいもあるかと存じます。

……お嬢様のご期待に応えることがかなわず大変心苦しいのですが……。
私は楽器演奏、創作等の才能、技術は幼少の頃より皆無でございました。
非才の身をお赦しくださいませ。

しかしいつの日かティーサロンに据えられたピアノでお嬢様のお心を癒して差し上げることを目標に、まずは次の賜暇に何か楽器でも探してまいりましょう。
まずはカスタネットあたりから。