秋、赤々と

秋は夕暮れ。

「枕草子」の一説でございますね。

お嬢様、お坊ちゃま、如何お過ごしでございましょうか。

佐倉でございます。

四季の移ろい、そしてそれぞれの趣深さを表したとされる「枕草子」。

未熟な私には、まだまだ全てを理解するのは大変難しゅうございますが、しかし、秋の夕暮れの美しさというのは、感じ得るものがございます。

真っ赤な夕暮れ、揺れる黄金の芒に、空に舞う秋茜。

素晴らしい秋の景色にございます。

付近では赤々となる柿を必死に啄む鳥が……おやおや、もちろん自然の摂理でございます。

止めることは難しゅうございますが、そちらの木は収穫を控えてございますので程々に。

その様な光景を眺めながら、幼き頃の思い出がふと呼び起こされました。

収穫が終わったであろう柿の木に、ほんの少し実が残っているのを見た私は、聞いたのでございます。

「何故全てを収穫しないのか」と。

「次の年もたくさん実をつけるようにという意味だよ」

そう教えてくださったのは、どなたでございましたか。

幼い私は、全てなくなってしまうと、次がならなくなってしまうのか、と啄む鳥をみて少々見当違いの恐怖を覚えたのでございますが、後になり、古来よりの風習である事を知り、成る程と思ったものにございます。

おやおや、二つ目にございますか?

随分とお腹が空いていたご様子。

このままでは、全て食べ尽くされてしまいますね。

そのように思いながら、庭師の元へと向かいます。

あなたの分もお残し頂けますようお願いしてまいります。

果実か否か

光陰矢の如しと申しますが、気がつけば9月となってございました。

お嬢様、お坊ちゃま、ご機嫌麗しゅうございます。

佐倉でございます。

9月といえば秋の始まりにはございますが、こと数年に至っては、残暑も厳しく、過ごし辛い月となりつつございます。

お嬢様、お坊ちゃまはお変わりなくお過ごしでございましょうか。

さて、秋は実りの季節でございます。

ぶどうに柿、梨に栗と、果物が好きな私は大変喜ばしくございます。

ふと、栗は果物か、との思いも過ったのではございますが、どうやら定義を調べましたところ、しっかりと果物の様子。

あの柔らかな甘味、大変好みでございます。

栗は縄文の遺跡より見つかっており、大変古くより人々に親しまれていたとのことでございます。

ビタミンB1等の栄養素も豊富で、間食に致しますと、足りない栄養素を補うのにピッタリだとか。

お嬢様やお坊ちゃまは栗はお好みでございますでしょうか?

……しかし、古来の人々も良くあの様な棘に包まれた果実を、食べてみようと思ったものにございます。

棘や毒、まさかそんなものまで、と思う食べ物は非常に多くございますが、美味しくいただいております今を思いますと、先人への感謝も尽きないものにございます。

気温が安定せず、調節の難しい季節ともなってございます。

お身体にお気を付けてお過ごしくださいませ。

黄色の隣人

お嬢様、お坊ちゃま
ご機嫌麗しゅうございます。
佐倉でございます。

暑さが段々と厳しくなってまいりました。
お嬢様、お坊ちゃまにおかれましては、お身体にお変わりなくお過ごしでございましょうか。
大変心配でございます。
室内で過ごすことも、多いことかと存じますが、空調下でも、熱中症にはなるとの事でございます。
水分補給、そして塩分補給はお忘れない様、お気をつけくださいませ。

さて、夏でございます。
夏といえば、大変トロピカルなフルーツが多ございますね。
パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ。
どれも、大変南国的で美味しいフルーツばかりでございます。

南国的と聞きますと、ふと思い浮かぶフルーツがございます。
黄色く、細長く、そして連なってなるあのフルーツ。

左様でございます。
バナナでございます。

私、気になりまして調べましたところ、やはりバナナも旬は夏とのこと。
南国のイメージから考えれば、当たり前の事かとも存じましたが、そこはやはりバナナ。
日本では、ほぼ一年中、市場に並ぶフルーツでございます。

しかし、不思議でございます。
数あるフルーツの中で、何故バナナはこれほどまでの地位を築いたのでございましょう?
栄養価が高く、価格は求めやすく、大変美味しく、
「バナナはおやつに入りますか?」
などと、冗談混じりにも愛されるフルーツであるバナナ。
……おや、どうやら考えるまでも無かった様でございます。

もちろん、お嬢様、お坊ちゃまは、しっかりと朝食をお取りになっていることと存じますが、
もし、忙しく、お時間の少ない朝などございましたら、バナナだけでもお召し上がり頂けますと、
お嬢様、お坊ちゃまの健康をお支え頂けることかと存じます。

この暑い夏を、健康にお過ごし頂けることを心よりお祈り申してございます。

見当たらない旬の果実

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
佐倉でございます。

6月でございますね。
やはり日本の6月といえば、梅雨の印象が大変強くございます。
雨は、様々な植物の生育に影響を与える、言わば天からの恵みではございましょうが……
外を歩く事の多い私といたしましては、土は泥濘み、足元は濡れ、少々憂鬱にございます。

先日は、そんな気分を多少忘れるべく、
またも旬な果実などを求め、市場に向かいました。

さて、アプリコットは6月が旬の果物とのことにございます。
今回は事前にそのように調べ、市場に向ったのではございますが。

見当たらない。

よくよく考えてみると、私、一度も生のアプリコットというものを見た事が無いのでございます。
市場をぐるりと巡りましたが、どこにも見当たらず、その日は結局諦めて帰宅いたしました。

その後更に調べてみたところ、アプリコットはドライフルーツにする事が多いとか。
栄養もそちらの方が豊富になると知り、驚き。
旬のフルーツは見つけられないようでございましたが、新たな知見を得た事を喜ぶことにいたしました。

さて、生のアプリコット。
どこ行けば見つかるのでございましょう?

爽やかな果実

お嬢様、お坊ちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。
佐倉でございます。

さて、先日、旬の果物を求め市場に立ち寄ったところ、グレープフルーツをおすすめ頂きました。

グレープフルーツ。

大変好みでございます。
弾けるような水々しい果肉と、爽やかな酸味。
ビタミンCも豊富に含まれ、風邪予防にも効果的でございます。

幼い頃、私が皮をむき、家族と分けて食べあう、
そんな思い出が頭をよぎり、どこか懐かしい想いを感じさせる酸味を頂いておりますと、
ふと、その名前の由来が気に掛かりました。

柑橘の果物に「グレープ」とはこれ如何に。

少し調べましたところ、グレープフルーツは、まさにブドウの房のように、連なってなるとのこと。
何とも、簡単な話ではございましたが、是非一度、この目で見てみたいものだと、
遠くの地に思いを馳せるなどいたしました。

気温の変化が大変不安定であり、温度の高い日と低い日を繰り返してございます。
お身体にお気をつけて、お過ごしくださいませ。

よろしければ、お供にグレープフルーツなど、如何でございましょう?

ご挨拶

お嬢様、お坊っちゃま、
ご機嫌麗しゅうございます。

この度、大旦那様より命を賜り
ティーサロンにてお給仕をさせて頂くことと相成りました。

佐倉と申します。

未熟な私では、至らぬ点も多いことと存じますが、
お嬢様、お坊ちゃまに穏やかな時間をお過ごしいただけますよう、
誠心誠意努めてまいります。

何卒、よろしくお願い申し上げます。

段々と暖かくなってまいりましたが、未だ気温の変化の激しい日々でございます。
体調を崩さぬよう、お気をつけくださいませ。

お戻りを心よりお待ちしております。