幾星霜

今年も残すところ、霜月と師走のみ。
年忘れのパーティーも催される時期となってまいりましたが、お嬢様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

時の経つのは早いもので、つい先日ドアマンと紅茶係を拝命したように思っておりましたが、それに加え大旦那様より新たに執事のお役目を仰せつかりました。

まだまだ未熟者ではございますが、お嬢様方皆々様にご満足いただけるよう、全力を尽くして参ります。

大切なティーサロンを、お嬢様のおかえりいただく場所を守っていけるように。諸先輩方に学びつつ一丸となってお仕えして参りますので、今後共何とぞよろしくお願い申し上げます。

バッテリー

近年では社交界のみならず、多くの方々が仮装を楽しむようになってまいりました。
まあお嬢様方におかれましては慣れたものかと存じますが、連日の催し物でお疲れではございませんでしょうか。
最近老婆心という言葉に敏感になっている香川でございます。

先日涼しさも増したこの機会にと、椎名執事とともに倉庫の整理を行いました。

芸術の秋というわけではございませんが、自前の棚なども製作しながらというなかなかダイナミックなおつとめとなり、
久々に大工道具を手にしての木材たちとの大立ち回りを堪能致しました。

その中で、電動ドリルを使う段にて、久々の活躍だったためかバッテリーが弱っていたものがございました。

椎名執事曰く、バッテリーの中には充電されたものを使い切らぬうちに充電すると、その寿命が短くなっていくものがあるのだそうでございます。

なんでもかんでもすぐに充電するというのも、いかがなものかということかもしれません。

人間の身体でもスタミナというものは限界を少し超えるくらいのトレーニングを積むことで養われるようでございます。

せっかくのものも使わずにいると、いつの間にか少なくなっている。

容量というものはバッテリーだけに限ったものではないのかもしれませんね。

婆ではなく、馬場でも走ってくると致しましょう。

身体づくりをして、お早いお帰りをお待ちしております。

バトンの先に

お屋敷の玄関先でも鈴虫の声が聞こえるようになってまいりましたが、お嬢様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。
今年の夏は地球の裏側からの知らせに日々一喜一憂致しました香川でございます。

勝利に沸く日も意に沿わぬ結果の日も、どちらにせよ最終的には目に熱いものをこらえられぬ瞬間が待っている。
それがこころを引きつけてやまない魅力なのかもしれません。

どのドラマにも筋書きはないはずでございますが、その中でも特に緻密に計算された上でのメダル獲得を感じた競技がございました。

それは男子400メートルリレーでございます。

4人の走者がそれぞれ100メートルをバトンでつないでいく。
この種目は100メートル走が速いことが勿論勝利に近いはずで、短距離のトラック競技では日本から出場する選手がメダルを獲得する日が来るとは、正直想像すらしていなかったのが本音でございました。

今回もリレーメンバーの誰一人として100メートル走では決勝に進んでいないにも関わらず、その4人での銀メダル獲得。

しかしこれは偶然の産物ではなく、取るべくして取ったメダルだったように存じます。

個々の潜在能力が高かったということも勿論あろうかと存じますが、適材適所の配置に加え、チームとして戦うという意識とリレーならではの巧みなバトンワークがあったからこそでございましょう。バトンの受け渡しにかなり多くの時間を割いて練習を重ねたとのことでございます。

各国の個性も出てくるのかもしれませんが、リレーの練習を厭う方もトップクラスの選手といえどもいらっしゃるようでございます。
チームで何かを取り組むということの、まさにモデルケースを見たような気がして、非常にこころを動かされました。

皆のチームワークが求められることは、お屋敷でも言えることかもしれません。
使用人チーム全員でのこころを込めたバトンワークの先に、お嬢様方のキラキラの笑顔というゴールを求めて、これからも走り続けて参りましょう。

お早いお帰りを、お待ちしております。

筋書きのないドラマ

梅雨も明け、蝉の声とともに本格的な夏が感じられるようになりましたが、お嬢様方におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。

くれぐれも夏バテにはお気をつけいただきたいところでございますが、寝不足を予感させる日々が待ち受けておりますね。

4年に一度のスポーツの祭典、オリンピックの開幕でございます!

今回もさまざまな感動がうまれる事かと思うと、すでに興奮が始まっている香川でございます。

この調子では睡眠時間は何時間になることやら…。

お嬢様方もあまり夜ふかしは、、、

え?

現地で見るから問題ない?
し、失礼しました。取り越し苦労でございましたね、いやいやお恥ずかしい。

日差しが強いと聞いておりますから、日焼け対策は十分なさって下さいませ。

土産話を楽しみに、お帰りを首を長くしてお待ちしております。

チェンジ

見えるはずのない紫外線が視認できるかような日が増えてまいりましたが、お嬢様方はいかがお過ごしでしょうか。
玄関先にてお仕えしているだけでも、日焼けが進んでおるような気がする香川でございます。

先日欧州では連合の結びつきに関わる重大な決定がなされ、米国においても大統領の交代が迫るなど、世の中の変革が進んでいる時期なのかもしれませんが、
お嬢様方のお屋敷におきましても今月から、レイアウトが大胆に変えられましたね。
お屋敷の雰囲気も随分と違うものになったように存じます。

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まごころ

2016年も折り返しに差し掛かりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
この時期は特に髪のクセに手を焼く香川でございます。

世の中にはジューンブライドという言葉もございますから、新たな人生の第一歩を踏み出すというお嬢様もいらっしゃるかもしれません。

世の中にウェディングソングは数多くあろうかと存じますが、そのなかのわたくしの存じておる曲の一節に、

「お互いを思いやり敬うこと、どんな日もどんな時も大切なのは愛」

というものがございます。

夫婦の間のみならず他者に敬意を持って接することは、良好な人間関係を構築する上で非常に大切なものなのではないかと存じます。

日頃の自分自身のあり方や過ごし方によって、自ずと良縁や良き仲間に恵まれてくるといったところなのかもしれません。

過ごし方といえば、古くから孟母三遷という言葉もございますように、身のまわりの環境も大切でございますね。

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誓い

新緑の眩しい季節となりましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。
固まっていた身体も温かさとともに、ゆるゆるとほぐれてきたように感じている香川でございます。

さて今月もデザートプレートは2種ございますが、わたくしそのうちの片方の名前がとても気になりました。

「花園の誓い」

かねてより歴史モノの作品に目のない香川でございます。
こう申し上げるとピンとこられる方もいらっしゃるかも知れません。

中国の漢王朝末期における三国時代を描いた「三国志演義」。
その中に、欠かすことのできないある有名なエピソードがございます。

その名も、「桃園の誓い」

劉備、関羽、張飛という三人の豪傑が義兄弟の契りを交わすくだりでございます。

幼い頃に見た人形劇の記憶。
生き生きとした動きや声を担当されていた方々の迫真の演技に夢中になり、
その後は吉川英治、司馬遼太郎、陳舜臣、宮城谷昌光といった作家の作品に傾倒いたしました。

これを書いているだけでも胸が踊る歴史モノ。
はてさて、ご興味のあるお嬢様方もいらっしゃいますでしょうか…。

それにしても美味しそうなメロンでございますね。

え?なんだかんだ言ってそっちが狙い?

め、滅相もございません。

さあ!本日も玄関にてお屋敷の安全といにしえのプリンスに想いを馳せましょう。

お早いお帰りをお待ちしております。