knock

不意な雨。そろそろ蝉の声も聞こえはじめることでしょう。

傘をさすのが不得手ゆえに雨合羽を購入した能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

藤堂名誉執事のお誕生日祝賀会が昨月の末に執り行われました。

通称「藤堂会」も参加いたしましたのは8回目でございます。

ここ数年間はカメラ越しの配信での開催が続いていたなかで、

今回は久し振りにお嬢様をお招きしての祝賀会でございました。

 

お屋敷から離れた場所での給仕というのはなかなかない機会。

使用人とお嬢様が一堂に集まり、藤堂執事をお祝いする光景、

そして藤堂執事の嬉しそうな表情を近くで拝見いたしまして、

様々なお屋敷での思い出を振り返り、感無量でございました。

 

藤堂執事の祝賀会へお越しくださりましたお嬢様、お坊ちゃま。

誠にありがとうございました。改めまして、感謝申し上げます。

 

そして季節は夏へ。私が大好きな季節がやってまいりました。

今年は湿度は高い反面、降雨する時間は短かったように感じます。

第15回公演の初日に梅雨入りしたのも何かの縁でございましょう。

梅雨明け宣言がどのタイミングに重なるか、見物でございますね。

 

昨年よりも流行病の面で穏やかな世の中になったものですから、

今年の夏休みは遠出をなさるお嬢様も多いのではないでしょうか。

ぜひお屋敷でそのお土産話を聞かせてくださいませ。

 

私も夏の計画を立てている真っ只中でございますが、

今年も充実した毎日になる予定でございます。

 

能見

WANder

突然の雨に打たれると、某映画の最終幕を思い出します。

自室に保管している傘の本数が年々増えてゆく能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

いよいよ執事歌劇団の第15回公演も間近にせまってまいりました。

春の訪れを感じたころ、特に公演にむけての稽古が始まってからは、

激流に飲み込まれるかのように、時間が過ぎゆく感覚がございます。

我武者羅に模索する姿勢。齢を重ねても忘れず持ち続けたいものです。

 

思考に疲れたとき、頭の中を空っぽにしてリフレッシュするために、

わたくしは給仕を終えた深夜帯にランニングへ赴くことがございます。

自身を鼓舞するような音楽を聴きながら30分ほど汗を流すのですが、

思いのほか脳内がすっきりと整理されていることが多くございました。

 

何より、わたくしに癒しをもたらしてくれる存在にも気づきました。

それは、お散歩中の「ワンちゃん」でございます。

とことこと歩く姿、颯爽と凛々しい姿、悠然と大地を踏みしめる姿。

どの場面を切り取っても、溢れんばかりの愛嬌がございます。

 

給仕後の疲労感との鬩ぎ合いの末ランニングに向かおうとする、

わたくしの中での大切なモチベーションになっておりました。

お陰様でより充実した日々を送れているような気がいたします。

 

そしてお恥ずかしながら、疑問に思っていることがひとつ。

「ワンちゃん」の敬語表現で適切な言葉は何でしょうか。

恐縮ですが不勉強者のわたくしに、どうか教示くださいませ。

 

能見

Green Monster

窓の外の緑が増えてゆくにつれ徐々に夏の足音を感じ始めました。

温暖な気候ゆえアウトドアへ駆け出したくなる能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

様々なアクティビティーが盛んになる時候になってまいりました。

お嬢様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでございますか。

きっとたくさんのご予定がぎゅっと詰まっていらっしゃるかと存じます。

ティーサロンにおりながら、私も年間の計画を立ててございます。

 

先日100円で何でも揃う魔法のようなブティックにまいりまして、

どのようなアイテムがあるのかと様々物色しておりましたところ。

発見してしまいました。男の子のロマンが詰まった素敵アイテムを。

それは、「釣り竿」でございます。

 

その釣り竿を見て在りし日のボーイスカウト時代を思い出しました。

ガスも電気も通っていない秘境の山奥のコテージで過ごした一週間。

その環境で釣った綺麗な模様のニジマスは忘れることができません。

幼少の頃の記憶は案外ずっと頭の中に残っているものでございます。

 

何かの縁だと購入し、十数年ぶりに自室へ釣り竿を招き入れました。

眺めているだけでこれから迎える季節の到来が楽しみでございます。

より暖かくなってきたら久し振りに海釣りにも行ってみたいなあと。

金澤先生や明石先生に手取り足取り教えてもらおうと思います。

 

能見

Everyday Dream

木々から放たれるおびただしい粒子の量で、春の訪れを感じました。

今年の桜は自室に向かう途中での鑑賞が多かった能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

本年に入りまして少しずつ世の中の時勢も落ち着いてまいりました。

私の心の中で思い出されるのは、約三年前のこの時期でございます。

長期にわたる休館日中で、お嬢様がお屋敷での生活をお忘れになりませんよう、

使用人たちでオンラインラジオをお届けしたこともございました。

 

今では想像もつかないような毎日です。

 

それからも、三歩進んで二歩下がるという状況がずっと続きました。

様々な困難や世情の逆風を乗り越えて今という瞬間を迎えられること、

改めまして、お嬢様に深く深く感謝申し上げます。

 

本年度もしばらく経ち、環境の変化にもなれてきたころでしょうか。

無意識のうちに、疲労が溜まっていらっしゃるかも知れませんので、

お疲れが出ましたらいつでもティーサロンへお戻りくださいませ。

温かい紅茶やお料理、そして美味しいワインをご用意いたしますね。

 

平穏な毎日が続くことに感謝の念をいただきながら。

本年度もどうかよろしくお願いいたします。

 

能見

Robinson

宙を浮かぶような微睡みの中で、遂にわたしは夢を見ることができました。

夢のトリガーは就寝時の腕の角度であると仮説を立てた能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

今月の24日を持ちまして、ティーサロンは開館17周年を迎えます。

私が使用人としてお屋敷にまいりましてから8年9ヶ月が経ちましたので、

お屋敷が開館してからの約半分の歴史を共にしたということになります。

お屋敷には不思議な時間の流れがあるように感じるのは私だけでしょうか。

 

アニバーサリー期間の特別なお料理は本年はお重とメインディッシュ。

春麗らかな和洋折衷の組み合わせでお嬢様のお元へお届けいたします。

それらの料理へのペアリングを考えたワインもご選定をいたしました。

以下の3種類のスペシャルワインが、お嬢様の食卓を優雅に彩ります。

 

今回はいつもの雰囲気とは一線を画しイタリアワインを攻めてみました。

春の訪れを存分に感じられ、大きな存在感を放つフランチャコルタ・ロゼ。

円熟した味わいで妖艶な余韻を長く残すヴィエディロマンス・シャルドネ。

牛フィレ肉のグリルとの極上ペアリングを楽しめるキアンティ・クラシコ。

 

個性豊かなイタリアワインの選定は非常に楽しかった思い出があり、

上記の3本につきましてはどちらも選定に納得のいった品質でございます。

ワインという色彩豊かな花束を、お嬢様のお元に届けましょう。

 

お屋敷にとりましてアニバーサリー期間は新たな一年の節目でございます。

お屋敷の18年目はどのような毎日が我々を待ち受けておりますでしょうか。

たくさんの想いを込めて、たくさんの感謝を込めて、たくさんの敬愛を込めて。

我々使用人一同、更なるお嬢様の笑顔のため、より一層邁進してまいります。

 

能見

Malsenior

チョコレートの甘い香りに誘われて市街を彷徨うことが増えました。

本場ベルギーのチョコワッフルをいただいてみたい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

大人になると味覚が変わる、などというお話はよく耳にいたしますが、

成人してからでも美味しさの守備範囲が変わってきたような気がします。

舌が成熟してきているのか、また鈍化してきているのかはわかりません。

以前は無関心だったものに対し、近年は妙に魅力を感じてしまうのです。

 

元来、私の家系はハーブや香辛料が得意ではなく、もちろんそれゆえ、

食卓に並ぶことも一切なく、幼少の頃からハーブとは無縁の生活でした。

学生の頃、タイへ旅行に行ったことがあるのですが、食文化が合わず、

三食赤と黄色のMという文字の看板の元にてお腹を満たしたちょっぴり苦い思い出がございます。

 

そんな中で幸か不幸か、私の舌は順調に成長または鈍化いたしまして、

パッタイやマッサマンカレーは私の目に魅力的に映るようになりました。

大人になってもずっと変わらないと思っていては少々勿体ないですから、

お嬢様にとりましても、新しい味覚に挑戦なさってはいかがでしょうか。

 

素敵な発見があるとよろしゅうございますね。

 

私は現在、八角とコリアンダーの克服を目指しております。

挑戦し続けて10年余りですが、往生際が悪く、諦める気はございません。

もう少々お待ち下さいませ。

 

能見

Euphoria

お嬢様、あけましておめでとうございます。

琴の音を聴くたびに心が清らかに。そのような気がする能見でございます。

お嬢様、お元気でいら坊ちゃまっしゃいますでしょうか。

 

さあ。遂に2023年の幕が開けました。

今年はどのような年にしようか、お嬢様はお悩みのことかもしれませんね。

ご自身の歩幅でかまいませんので、どうかごゆっくりお考えくださいませ。

お嬢様の目の前には、たくさんの可能性が散りばめられておりますので。

 

まずは昨年末に溜まったお疲れを癒すところから始めるのもよいでしょう。

お外が明るいうちから日本酒やワインをゆっくりと嗜むことができるのも、

このお正月、そして三箇日の持つ大変大きな醍醐味のひとつでございます。

カウントダウン生配信を見返しながらというのもよろしゅうございますね。

 

昨年はお屋敷のティーサロンを、ギフトショップを、

そして執事歌劇団をご愛顧くださり、誠にありがとうございました。

お嬢様と歩んだ一年間。我々にとりましても大きな宝物となりました。

使用人を代表いたしまして、改めまして深く感謝申し上げます。

 

お嬢様からいただいたひとつひとつの宝物を大切に、

これからも我々は前へ進んでまいります。

 

今年の大晦日には両手いっぱいに抱えきれなくなるくらい、

たくさんのすてきな思い出に囲まれておりますように。

 

私も心を込めて給仕に励み、お嬢様の笑顔のため、尽力いたします。

こちらの宣誓を、私からの年始のご挨拶とさせていただきます。

 

能見