Everyday Dream

木々から放たれるおびただしい粒子の量で、春の訪れを感じました。

今年の桜は自室に向かう途中での鑑賞が多かった能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

本年に入りまして少しずつ世の中の時勢も落ち着いてまいりました。

私の心の中で思い出されるのは、約三年前のこの時期でございます。

長期にわたる休館日中で、お嬢様がお屋敷での生活をお忘れになりませんよう、

使用人たちでオンラインラジオをお届けしたこともございました。

 

今では想像もつかないような毎日です。

 

それからも、三歩進んで二歩下がるという状況がずっと続きました。

様々な困難や世情の逆風を乗り越えて今という瞬間を迎えられること、

改めまして、お嬢様に深く深く感謝申し上げます。

 

本年度もしばらく経ち、環境の変化にもなれてきたころでしょうか。

無意識のうちに、疲労が溜まっていらっしゃるかも知れませんので、

お疲れが出ましたらいつでもティーサロンへお戻りくださいませ。

温かい紅茶やお料理、そして美味しいワインをご用意いたしますね。

 

平穏な毎日が続くことに感謝の念をいただきながら。

本年度もどうかよろしくお願いいたします。

 

能見

Robinson

宙を浮かぶような微睡みの中で、遂にわたしは夢を見ることができました。

夢のトリガーは就寝時の腕の角度であると仮説を立てた能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

今月の24日を持ちまして、ティーサロンは開館17周年を迎えます。

私が使用人としてお屋敷にまいりましてから8年9ヶ月が経ちましたので、

お屋敷が開館してからの約半分の歴史を共にしたということになります。

お屋敷には不思議な時間の流れがあるように感じるのは私だけでしょうか。

 

アニバーサリー期間の特別なお料理は本年はお重とメインディッシュ。

春麗らかな和洋折衷の組み合わせでお嬢様のお元へお届けいたします。

それらの料理へのペアリングを考えたワインもご選定をいたしました。

以下の3種類のスペシャルワインが、お嬢様の食卓を優雅に彩ります。

 

今回はいつもの雰囲気とは一線を画しイタリアワインを攻めてみました。

春の訪れを存分に感じられ、大きな存在感を放つフランチャコルタ・ロゼ。

円熟した味わいで妖艶な余韻を長く残すヴィエディロマンス・シャルドネ。

牛フィレ肉のグリルとの極上ペアリングを楽しめるキアンティ・クラシコ。

 

個性豊かなイタリアワインの選定は非常に楽しかった思い出があり、

上記の3本につきましてはどちらも選定に納得のいった品質でございます。

ワインという色彩豊かな花束を、お嬢様のお元に届けましょう。

 

お屋敷にとりましてアニバーサリー期間は新たな一年の節目でございます。

お屋敷の18年目はどのような毎日が我々を待ち受けておりますでしょうか。

たくさんの想いを込めて、たくさんの感謝を込めて、たくさんの敬愛を込めて。

我々使用人一同、更なるお嬢様の笑顔のため、より一層邁進してまいります。

 

能見

Malsenior

チョコレートの甘い香りに誘われて市街を彷徨うことが増えました。

本場ベルギーのチョコワッフルをいただいてみたい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

大人になると味覚が変わる、などというお話はよく耳にいたしますが、

成人してからでも美味しさの守備範囲が変わってきたような気がします。

舌が成熟してきているのか、また鈍化してきているのかはわかりません。

以前は無関心だったものに対し、近年は妙に魅力を感じてしまうのです。

 

元来、私の家系はハーブや香辛料が得意ではなく、もちろんそれゆえ、

食卓に並ぶことも一切なく、幼少の頃からハーブとは無縁の生活でした。

学生の頃、タイへ旅行に行ったことがあるのですが、食文化が合わず、

三食赤と黄色のMという文字の看板の元にてお腹を満たしたちょっぴり苦い思い出がございます。

 

そんな中で幸か不幸か、私の舌は順調に成長または鈍化いたしまして、

パッタイやマッサマンカレーは私の目に魅力的に映るようになりました。

大人になってもずっと変わらないと思っていては少々勿体ないですから、

お嬢様にとりましても、新しい味覚に挑戦なさってはいかがでしょうか。

 

素敵な発見があるとよろしゅうございますね。

 

私は現在、八角とコリアンダーの克服を目指しております。

挑戦し続けて10年余りですが、往生際が悪く、諦める気はございません。

もう少々お待ち下さいませ。

 

能見

Euphoria

お嬢様、あけましておめでとうございます。

琴の音を聴くたびに心が清らかに。そのような気がする能見でございます。

お嬢様、お元気でいら坊ちゃまっしゃいますでしょうか。

 

さあ。遂に2023年の幕が開けました。

今年はどのような年にしようか、お嬢様はお悩みのことかもしれませんね。

ご自身の歩幅でかまいませんので、どうかごゆっくりお考えくださいませ。

お嬢様の目の前には、たくさんの可能性が散りばめられておりますので。

 

まずは昨年末に溜まったお疲れを癒すところから始めるのもよいでしょう。

お外が明るいうちから日本酒やワインをゆっくりと嗜むことができるのも、

このお正月、そして三箇日の持つ大変大きな醍醐味のひとつでございます。

カウントダウン生配信を見返しながらというのもよろしゅうございますね。

 

昨年はお屋敷のティーサロンを、ギフトショップを、

そして執事歌劇団をご愛顧くださり、誠にありがとうございました。

お嬢様と歩んだ一年間。我々にとりましても大きな宝物となりました。

使用人を代表いたしまして、改めまして深く感謝申し上げます。

 

お嬢様からいただいたひとつひとつの宝物を大切に、

これからも我々は前へ進んでまいります。

 

今年の大晦日には両手いっぱいに抱えきれなくなるくらい、

たくさんのすてきな思い出に囲まれておりますように。

 

私も心を込めて給仕に励み、お嬢様の笑顔のため、尽力いたします。

こちらの宣誓を、私からの年始のご挨拶とさせていただきます。

 

能見

Eureka

年の瀬が近づき、ようやく冬の厳しさを感じる気候となりました。

年始一番に頂戴するお酒は何にしようか思案中の能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

クリスマスムードも落ち着き、暫しの余白のお時間でございますね。

お嬢様の社会勉強もようやくひと段落といったところございましょうか。

師走ということもあり、お疲れもより重く感じられたかと存じますので、

どうかご自身のお身体を癒し、ごゆっくり年末をお過ごしくださいませ。

 

私は一年の総決算といたしまして久し振りに日記を振り返っております。

こちらの日記をつけはじめまして、今年で10年もの年月が流れました。

日にすると3000日余り。24時間はあっという間に過ぎてゆきますが、

ひとつひとつ、本当にたくさんの大切な思い出が積もってございます。

 

さて明日は今年最後の大執務、八幡とのカクテルデー「雨の御堂筋」。

昨年と季節は異なりますが、今年も無事にお届けすることが叶います。

八幡と毎年積み上げた慣例行事を、どうぞお楽しみくださいませ。

 

あと数日で一年がお終いになってしまいます。

 

本年も執事喫茶Swallowtailをご愛顧下さり誠にありがとうございました。

お嬢様のお傍でたくさんお仕えすることができて、幸せでございました。

 

楽しくて、穏やかで、不思議で、ちょっぴり刺激的な。

そんな日々が来年もずっと続きますように。

 

よいお年をお迎えくださいませ。

 

能見

Recoltes

すっかり気候面でも秋が深まり、年末へのカウントダウンが進みます。

時期柄、頭の中が漫才のネタ作りの脳になってきた能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

 

いよいよ全ソムリエが待ちに待った新酒の季節がやってまいりました。

今年の新酒は果たしてどのような完成度でございますでしょうか。

2022年ヴィンテージの今後の先行きを示す新酒の風味や個性。

ソムリエにとって一年の中でこれほど楽しみなことはございません。

 

11月2日深夜には今年初めて行ないます「山梨ヌーヴォー解禁祭」、

11月16日深夜には「ボジョレー・ヌーヴォー解禁」配信をいたします。

もしお時間がございましたら、盃を共に出来ますと幸いでございます。

※変更や中止の可能性もございますので予めご容赦くださいませ。

 

先日、とある機会があり睦月にワインをプレゼントいたしましたら、

驚くべきことに何と早速、本人からお返しのワインをいただきました。

贈り物を渡し合うという関係性というのは嬉しいものでございます。

 

 

コルクでもキャップでもなく、王冠というのは新鮮でございました。

ナチュール系の身体にも優しいワインで染み入るような味わいです。

微炭酸ゆえの飲み心地の快適さ、シトラスの酸味やミネラルのバランス。

グラスがすいすいと進んでゆき、瞬く間に乾いてゆきました…。

 

次は一緒にグラスを傾けながら、あれやこれやと談義したいものです。

どのワインに焦点を当てようか、今から楽しみでございますね。

Montrachet

高く広がる秋晴れの天候に、遠く遠く離れたブルゴーニュを思います。

いつの日か彼の地を訪れ、記憶のアルバムに刻みたい能見でございます。

お嬢様、お元気でいらっしゃいますでしょうか。

少しずつ秋も深まってまいりまして行楽の季節が到来いたしました。

今年、お屋敷でのハロウィンパーティーのテーマは「学生時代」。

十年以上ぶりに着たブレザーにはなんとも言えぬ気恥ずかしさと同時に、

制服に袖を通していた頃を思い出し、大変ノスタルジーな思いでした。

ボーイスカウトの活動でよく六甲山に登ったなという記憶がございます。

関東地方で申し上げますと、高尾山がそちらにあたりますでしょうか。

ハイキングやキャンプなど、紅葉やドングリを見ながら散策を楽しむ。

子どもの頃ならではの体験ができたことは今でも財産でございます。

立ち止まって振り返ることでしかわからないことも多くございます。

充実だと思っていた毎日の中でつい見落としがちになってしまったり、

無意識に優先順位を下げてしまっていたものに気づくことが増えました。

執務室から眺める景色も数年前より大きく変わってまいりました。

たまにはこうして、過去や今の自分を見つめ直して現在地点を知る。

他人と比べるよりもずっと大切なのだと、そう思う秋の夜です。

お嬢様、秋の夜長はほどほどにお楽しみくださいませ。

能見