水無月

雨に映える紫陽花の花も美しい季節になりました。

お嬢様如何お過ごしでしょうか、乾でございます。

6月になりますと10日過ぎ位に「入梅」、21日には「夏至」がございますね。

私の好きな夏がもうそこまで来ております。

ただ、梅雨の時期はあまり得意ではありません。

夏が来る前の約一ヶ月のジメジメした暑さを何とか乗り切る算段を考えなければいけませんね。

やはり風呂やサウナで汗を出し、美味しいお酒をいただくのが良いのかもしれません。

さて、6月には時の記念日がございます。

日本書紀によりますと西暦671年6月10日に日本初の時計が鐘を打ったとされることから毎年6月10日に、時間の大切さを尊重する意識を広めるため設けられました。

私も執事として、日頃お嬢様の時間を管理させていただいております。

お嬢様をお迎えしティーサロンでお過ごしいただきお出掛けされるまでの80分、あるいは夕食を楽しんでいただく90分を常に見守っております。

日頃より当家のフットマン達には、お嬢様のお食事の邪魔をしないよう申し付けております。

ただ稀にではありますが、お嬢様のお食事を邪魔するフットマンを発見する時がございます。

そのような者は使用人寮に戻ってからたっぷりとお説教しておりますのでお許しくださいませ。

さて、梅雨時は気候が変わり易く体調を崩される事がございますので、くれぐれもご注意くださいませ。

では、お嬢様のお帰りをお待ちしております。

皐月

初夏の風が清々しい今日この頃、お嬢様如何お過ごしでしょうか。
乾でございます。

新緑茶の収穫の頃を表す八十八夜が5月の始め頃でございます。

紅茶の場合、中でも私の好きなダージリンのセカンドフラッシュのクオリティーシーズンが5月から6月なのはご存知の事と思います。

この時期のダージリンは極めて良質なお茶が多く採れる事から、私も今年の紅茶の入荷をワクワクしながら待っております。

さて、5月は端午の節句もございますね。

久しぶりに折り紙で「兜」を作ってみました。

大きな紙で作れば実際にかぶれるようです。

誰かにかぶせてみたいような気もしますが・・・
止めておきましょう。

では、美味しい紅茶をご用意してお嬢様のお帰りをお待ちしております。

卯月

やわらかな春風に心華やぐ季節となりました。
お嬢様いかがお過ごしでしょうか、乾でございます。

さて、今月もティーサロンで色々な行事がございます。

1日のエイプリルフール、当ティーサロンでは「綿貫の日」として使用人一同お嬢様をお迎え致しましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。

そして22日の「執事の日」は私を始め執事達が普段あまり出来ないお嬢様へのお給仕と会話を楽しんでいただきますようお嬢様のお傍に控えさせていただきます。

もしお邪魔なようならすぐにでも退散致しますゆえ、ご挨拶だけでもさせていただければ幸いでございます。

また、この「執事の日」は私が初めてお嬢様へのお目通りが叶った日でもございました。

当時はまだ眼鏡を掛けておりませんでしたので現在と少し違った印象だったのかもしれません。

右往左往していた私に優しく接してくださったお嬢様方には感謝の気持ちしかございません。

本当にありがとうございました。

早いもので8回目の執事の日を迎えます。

これからも出来うる限りお嬢様が快適にお過ごしいただけるよう務めさせていただきますので、宜しくお願い致します。

では、お嬢様のお帰りをお待ちしております。

弥生

少しずつではございますが、ようやく春めいてまいりました。

お嬢様、如何お過ごしでしょう、乾でございます。

さて、三月は色々な行事がございますね。

行事ごとにお菓子をいただく事もございます。

桃の節句には白酒に菱餅・雛あられ、春のお彼岸には牡丹餅

そして桜の時期になりますと桜餅が美味しゅうございます。

満開の桜を眺めながら茶屋などで桜餅をいただきますと、改めて春が来たんですねと思ったりいたします。

そうそう桜餅ですが、お嬢様は関西風の「道明寺」派でしょうか?

それとも関東風の「長命寺」派でしょうか?

私は幼い頃から食してきた「長命寺」の桜餅が好きでございます。
(ただ葉は食しません、お許しくださいませ)

「道明寺」の桜餅も勿論美味しいのではございますが大人になるまで食した事がございませんでしたのでどちらかと言えばでございます、御容赦くださいませ。

そして、桜の季節になりますと毎年夜桜見物に参ります。

出来れば晴れて月や星が綺麗な時がよろしいですね。

体が冷えないようにお燗した日本酒を入れたポットをバッグに入れて
桜並木をゆっくり散歩いたします。

さて今年は何処の桜見物に参りましょうか。

如月

立春も過ぎ梅のつぼみが春を知らせる季節となりました。
お嬢様如何お過ごしでしょうか、乾でございます。

バレンタインデーの歓喜や悲哀も過ぎ、間もなく「雨水」でございますね。
今年は2月19日でございます。

空から降るものが雪から雨に変わり氷が溶けて水になる、と言う意味があるそうで春一番が吹くのもこの頃でございます。

地方によっても違いますが、この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれるとも言われておりますのでそろそろご準備致しましょうか。

さて、話は変わりますが・・・

この度2月16日よりティーサロンで「いちごのオムレット」をご用意させていただきました。

ふわふわの生地に食感を楽しんでいただける様に細かく刻んだ苺と生クリーム、カスタード、ベリーソースを挟み込み優しい甘さに仕立てました。
是非ご賞味くださいませ。

では、ティーサロンにてお帰りをお待ちしております。

睦月

松の内の賑わいも過ぎ街も落ち着きを取り戻しております。

お嬢様如何お過ごしでしょう、乾でございます。

一月の陰暦の名称「睦月」は親類知人がお互いに往来し、仲睦まじくする月と言う説がございます。

普段疎遠になっている方等とお会いする機会もございましたでしょうか。
何か楽しいお話し等ございましたらお教えくだされば幸いでございます。

さて、今年の干支は「亥」いわゆるイノシシでございます。

亥は(とざす)の意味がございまして、草木の生命力が種の中に閉じ込められた状態を表しているとされております。
後に分かり易くするため動物の「猪」が割り当てられたそうでございます。

そこで、今回の折り紙は猪の子供「ウリ坊」を作ってみました。

    
簡単でございましたが中々愛らしく出来上がりました。
お嬢様も是非ご挑戦くださいませ。

そうそう、ご挨拶が遅れてしまいました、申し訳ございません。

改めまして、今年も誠心誠意お仕えいたしますので宜しくお願い致します。

師走

街はクリスマスカラーに彩られ道行く人も何処か楽しげでございますね。
お嬢様いかがお過ごしでしょうか、乾でございます。

今年一年、何事もなくお嬢様方にお仕えする事が叶い嬉しく思っております。

来年も、お傍でお仕えさせていただければ幸いでございます。

さて、年末の厄介事があるとすれば「大掃除」でございます。

広大なお屋敷でございますのでどこから着手致しましょうか・・・

そもそも「大掃除」は平安時代に「煤払い」としてお正月に各家庭にやってくる年神様(豊作や幸せをもたらす神様でございます)をお迎えするため、一年の汚れを祓い清める為に行われておりました。

そして江戸時代になると、江戸城のでの「煤払い」が12月13日に行われるようになり、江戸の庶民たちもそれにならって自分達の家の「煤払い」を行ったようでございます。

旧暦の12月13日は「正月事始め」といわれ、婚礼以外では全ての事に吉とされる日でございますので「年神様」をお迎えする準備を始める日に良い日として選ばれ、新暦になっても日付はそのまま引き継がれているようでございます。

それでは各使用人達に指示を出しながら、私が先陣をきって大掃除を始める事に致しましょう。

綺麗になったお屋敷にてお嬢様のお帰りをお待ちしております。